岡山の闇金を見分ける|県知事登録の貸金業者は9年で27社から14社へ、残る17社の全件リストと岡山県警の注意【2026年9月】

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岡山県知事の登録を持つ貸金業者は、平成28年度の27社から令和6年度の14社へ、9年でほぼ半分に減りました。これは岡山県自身が公表している数字です。2026年9月27日に金融庁の検索で数えても、岡山県知事の登録は14社のままでした。地元の小さな貸し手が減るほど、その空いた場所に入り込んでくるのが、電話やダイレクトメールで近づくヤミ金融です。この記事では、減っていく登録業者と、岡山県警が注意を呼びかける手口を、時間の流れに沿って並べます。

※業者の一覧は、金融庁の登録業者の検索ページで本店所在地を「岡山県」に指定し、2026年9月27日に表示された17件(岡山県知事14・中国財務局長3)。年度ごとの業者数は岡山県「貸金業の登録を調べたい」(2025年4月1日更新)、手口は岡山県警察「ヤミ金融にご用心!」(2026年7月6日更新)による。

9年で27社から14社へ

岡山県のページは、「岡山県知事登録(岡山県内にのみ営業所を持つもの)の貸金業者数」を年度ごとに載せています。

年度 業者数 前年度からの増減
平成28年度(2016) 27 ―
平成29年度(2017) 25 −2
平成30年度(2018) 19 −6
令和元年度(2019) 17 −2
令和2年度(2020) 16 −1
令和3年度(2021) 15 −1
令和4年度(2022) 15 0
令和5年度(2023) 14 −1
令和6年度(2024) 14 0

いちばん大きく減ったのは平成30年度で、1年で6社が消えています。その後も少しずつ減り、ここ数年は14〜15社で止まっています。岡山で「県内だけで営業する地元の貸金業者」は、今や14社しかないということです。

減り方にも段階がある

表を二つの時期に分けると、減り方の違いがはっきりします。平成28年度から令和元年度までの3年間で、27社から17社へと10社減りました。一方、令和元年度から令和6年度までの5年間では、17社から14社へ、減ったのは3社だけです。

登録は3年ごとの更新なので、平成28年度からの3年間は、ほぼすべての業者が一度は更新の時期を迎えた期間にあたります。更新を続けられない業者がこの一巡でまとめて抜け、残った業者はその後も登録を続けている、という形に読めます。今の14社は、その一巡をくぐり抜けてきた顔ぶれだと言えます。ここ2年ほどは14社のまま、数が動いていません。

なぜ減ったのか——県が挙げる法律の変化

岡山県の「貸金業について」のページは、今の貸金業法が平成18年に公布され、平成22年6月に完全に施行されたこと、その主な変更点として次のものを挙げています。

変わった点 中身 小さな業者への影響
上限金利の引き下げ 年29.2%から年20%へ 利ざやが小さくなる
貸金業務取扱主任者の配置 国家資格を持つ人を置く義務 人を確保する負担が増える
財産の要件の引き上げ 純資産2,000万円から5,000万円へ 小さな事業者は登録を続けにくくなる
借入の総額の制限と信用情報の仕組み 年収に応じた借入の上限など 貸せる相手と額が絞られる

県の表が始まる平成28年度は、法律が完全に施行されてから6年後です。登録は3年ごとに更新が必要なので、条件を満たせない業者は、更新の時期が来るたびに一つずつ姿を消していったと考えられます。数字の減り方は、その流れと矛盾しません。

登録業者が減ること自体は、条件を満たした業者だけが残るという意味では、借りる側を守る仕組みが働いた結果でもあります。ただし、正規の小さな貸し手が減った分、「どこも貸してくれない」と感じる人が増え、そこにヤミ金融が声をかけてくるという面も見落とせません。

残っている17社

今の岡山に本店がある登録業者を全件並べます。代表者名は省きました。

商号 登録番号 本店 協会
トマトカード株式会社 中国財務局長(11)第00106号 岡山市北区 会員
中銀カード株式会社 中国財務局長(14)第00068号 岡山市北区 会員
天満屋カードサービス株式会社 中国財務局長(7)第00137号 岡山市北区 会員
東京信販 岡山県知事(15)第00467号 岡山市北区野田屋町 会員
株式会社中商 岡山県知事(15)第00562号 岡山市北区内山下 ―
株式会社小野商店 岡山県知事(15)第00563号 岡山市北区内山下 会員
成通商事株式会社 岡山県知事(14)第00706号 岡山市北区駅前町 会員
セレクト 岡山県知事(11)第01520号 岡山市北区西古松 会員
アルトファイナンス 岡山県知事(9)第01878号 岡山市北区本町 会員
センターファンド 岡山県知事(8)第02044号 岡山市北区下中野 ―
ヤマトファイナンス 岡山県知事(7)第02116号 岡山市北区柳町 会員
エビスファイナンス 岡山県知事(6)第02150号 岡山市北区田町 会員
エース 岡山県知事(6)第02151号 岡山市北区錦町 ―
NPOバンク吉備郷学振興会 岡山県知事(T4)第02154号 総社市 会員
Inter Bank 岡山県知事(3)第02156号 倉敷市水島 会員
株式会社アルクレイン 岡山県知事(2)第02157号 倉敷市阿知 会員
株式会社両備ファイナンス 岡山県知事(1)第02158号 岡山市北区下石井 ―

中国財務局長の登録を持つ3社は、社名からトマト銀行・中国銀行の系列と見られるカード会社と、百貨店の天満屋の名前を持つカード会社です。複数の県に営業所があるため、財務局の登録になっています。17社のうち14社が岡山市北区に本店を置き、ほかは倉敷市の2社と総社市の1社だけでした。津山市や県北、県南の備前・井笠地域に本店を置く登録業者は見当たりません。

一覧から読める三つのこと

一つ目は、名前だけで判断すると取り違えやすい業者があることです。「東京信販」は、名前に東京とありますが、岡山市北区に本店を置く岡山県知事登録の業者で、括弧の数字は(15)、40年以上登録を続けている計算になります。倉敷市水島の「Inter Bank」は、名前に「バンク」と入っていますが銀行ではなく、個人名義の貸金業の登録です。名前の響きではなく、登録の中身で見る必要があります。

二つ目は、ふつうの番号とは違う「(T4)」という登録があることです。総社市のNPOバンク吉備郷学振興会は、括弧の中に「T」が付いています。兵庫県の一覧でも、NPO法人の登録に同じように「T」の付いた番号がありました。NPOなどが地域のために行う貸付けの登録に見られる形で、本物の登録です。見慣れない形だからといって、偽物と決めつけないでください。

三つ目は、同じ住所に二つの業者があることです。株式会社中商と株式会社小野商店は、どちらも岡山市北区内山下の同じ番地に本店があり、番号も第00562号と第00563号の連番、登録日も同じ2026年1月20日でした。関係のある会社どうしと見られますが、登録は別々です。照合するときは、住所だけでなく商号と番号までそろえて確かめます。

いちばん新しい登録は、2025年3月21日の株式会社両備ファイナンスで、括弧は(1)、番号は第02158号です。減り続けた9年の間にも、株式会社アルクレイン(括弧の数字は(2))や両備ファイナンス((1))のように、新しく登録を受けた会社はあります。数が減っているとはいえ、抜ける業者と入る業者の入れ替わりもあるということです。そのぶん、以前は無かった名前が「岡山の新しい業者」として出てくることもありえます。新しい名前ほど、番号と登録日を検索で確かめる意味が大きくなります。岡山県知事の番号は、新しい登録ほど大きくなる並びなので、「最近開業した岡山の業者」を名乗る相手の番号は、この前後になるはずです。

個人と法人、協会の会員、更新の時期

17社のうち、個人名義の登録は8社でした。東京信販、セレクト、アルトファイナンス、センターファンド、ヤマトファイナンス、エビスファイナンス、エース、Inter Bankです。岡山市北区の中心部に、屋号で営む小さな貸金業者が点々と残っている形です。法人は、カード会社3社のほか、株式会社小野商店、株式会社中商、成通商事、アルクレイン、両備ファイナンス、そしてNPOバンクでした。

日本貸金業協会の会員は17社中13社で、会員でないのは株式会社中商、センターファンド、エース、株式会社両備ファイナンスの4社です。協会への加入は任意なので、会員でないことがそのまま問題を意味するわけではありません。

登録日を見ると、成通商事の登録(更新)日は2023年10月25日で、3年目の2026年10月ごろに更新の時期を迎えます。更新が済めば、検索結果の日付が新しくなり、括弧の数字は(15)に増えるはずです。この記事の表と日付が違っていても、それだけで怪しむ必要はありません。

ほかの県と並べると、岡山はどのくらいか

当サイトでは、2026年9月に各地の登録業者を同じ方法で数えてきました。県知事の登録だけを取り出して並べると、次のようになります。

県・府 知事登録の業者数 数えた日
神奈川県 30 2026年9月26日
埼玉県 24 2026年9月26日
京都府 20 2026年9月26日
千葉県 15 2026年9月26日
岡山県 14 2026年9月27日
宮城県 14 2026年9月27日
奈良県 6 2026年9月26日
滋賀県 5 2026年9月26日

岡山の14社は、宮城と同じ数です。どちらも、県庁所在地の中心部に業者が集まり、それ以外の地域にはほとんどいないという点も共通していました。首都圏や京都に比べると少なく、近畿の奈良・滋賀よりは多い、という位置にあります。地方の県では、地元の登録業者は十数社という規模が珍しくないことが、並べるとよく分かります。宮城の登録業者と、宮城県が名指しする悪質業者の型は、別の記事にまとめています。

減った場所に入り込む手口——岡山県警の注意

岡山県警察のページ「ヤミ金融にご用心!」(2026年7月6日更新)は、ヤミ金融の手口として次のものを挙げています。

県警が挙げる手口 県警の説明(要旨)
ダイレクトメール・電話・ファックスでの勧誘 多重債務者や自己破産した人などの名簿が、悪質業者の間で出回っているといわれている。通常の金融機関で借りにくい人を狙う
携帯電話からの勧誘、個人名義の口座への返済 携帯電話だけで営業する「090金融」や、個人名義の口座へ返済させる業者は実態がつかめず大変危険
広告の甘い宣伝文句 新聞・雑誌・チラシ・電柱の貼り紙などの「審査なし、即融資」「ブラックOK」は、ヤミ金融かお金をだまし取ろうとする疑いが濃い
家族・勤め先の連絡先を聞き出す 本人だけでなく家族や勤め先にも電話をかけ、精神的に追い詰めて支払わせる
押し貸し 銀行口座に勝手に入金し、高い利息の返済を迫る

なお、岡山に住んでいても、借りられるのは岡山の業者だけではありません。全国で営業する正規の消費者金融は、本店が県外にあるだけで、岡山からも申し込めます。「岡山の人なら岡山の業者で」と考える必要はなく、むしろ地元を強調して近づいてくる相手ほど、登録を確かめる理由があります。地元であることは、安全の証明にはなりません。確かめるべきなのは、住所の近さではなく登録の有無です。

中でも注意したいのは、県警が「県知事等の登録番号やフリーダイヤルの番号が記載されていても過信してはいけません」と書いていることです。登録番号が書いてあるだけでは、本物の証明になりません。番号そのものが作り物であることも、本物の業者の番号を勝手に使っていることもあるからです。

県警のページは、上限金利の年20%を超える利息は支払う必要がない、とも書いています。ヤミ金融に「払わなければ」と思い込まされている人にとって、これは知っておくべき一文です。不審な点があれば、被害に遭う前に警察署に相談するよう呼びかけています。

登録業者が27社あった頃と比べると、岡山で「地元の業者」を名乗る相手が本物である確率は、年々下がっているとも言えます。本物は14社しかないのに、名簿を手にした業者は何人にでも電話をかけられるからです。

ダイレクトメールや電話が来たとき、何が起きているか

県警は、多重債務者や自己破産した人の名簿が悪質業者の間で出回っているといわれている、と書いています。つまり、申し込んだ覚えのないダイレクトメールや電話が届いたとき、相手はあなたを偶然選んだのではなく、「お金に困っていそうな人」の名簿から順に連絡している可能性があります。

この場合、相手はこちらの事情をある程度知ったうえで話しかけてきます。「ほかで断られた方でも大丈夫です」「今月の支払いに困っていませんか」といった言葉は、名簿の情報に合わせて用意されたものかもしれません。こちらの事情を言い当てられると、「親身な業者だ」と感じやすくなります。しかし、それは親切ではなく、情報を持っているというだけのことです。

こうした連絡に返事をすると、名簿の中で「反応した人」として扱われ、ほかの業者からの連絡が増えるおそれもあります。登録を確かめたいときは、相手に折り返すのではなく、書かれた名前や番号を自分で検索にかけるだけにしてください。

岡山県に電話で聞けること

岡山県のページは、ネットでの確認に加えて、電話での照会も受け付けていると案内しています。電話で答えるとしている事項は次の三つです。

岡山県が電話で答える事項

  • 照会された業者が、今、岡山県に登録しているか
  • 過去に登録されたことがあるか。廃業している場合は、その廃業の年月
  • 登録の内容のうち、代表者名、貸金業務取扱主任者名、営業所の所在地、電話番号など

二つ目の「廃業の年月」まで答えてもらえるのは、岡山の数字を見ると大きな意味があります。この9年で、差し引き13社が登録の一覧から減っているので、「前は岡山で営業していた業者」の名前や番号を使った相手が現れても不思議ではありません。金融庁の検索では今の登録しか分からないので、「出てこない」理由までは分かりません。県に聞けば、「以前は登録していたが、いつ廃業した」という答えが返ってくる可能性があります。

県のページは、業者の名称だけでも答えられるが、営業所の所在地や電話番号も伝えるとより正確に答えられる、とも書いています。登録簿そのものも、県の担当課で閲覧できます。

県のページの「例」の番号にも注意

岡山県のページは、登録番号の読み方の例として「岡山県知事(1)第09999号」「中国財務局長(4)第09876号」を挙げ、括弧の数字は登録の回数で、(1)なら新規登録から3年以内という意味だと説明しています。これは形を示すための例で、実際の岡山県知事の番号は、今の一覧では第00467号から第02158号の範囲にあります。岡山に本店がある中国財務局長の登録3社の番号も、第00068号から第00137号で、例の第09876号とはかけ離れています。例と同じ形だからといって本物とは限らないので、番号は必ず検索で確かめてください。

岡山で借り先を探している人が、今日やること

1.「岡山の業者」を名乗られたら、17社の表と照らす

岡山県知事の登録は14社しかありません。名乗られた名前が表に無ければ、少なくとも岡山だけで営業する登録業者ではありません。

2.登録番号が書いてあっても、検索で確かめる

県警が書くとおり、番号が記載されているだけでは信用できません。番号・商号・所在地・電話番号を、金融庁の検索と照らします。出てこなければ、県に過去の登録の有無を聞くこともできます。

3.携帯番号や個人名義の口座が出てきたら、そこで止める

岡山の登録業者は、財務局登録の3社を含めて、すべて店舗の所在地と固定電話で登録されています。携帯電話だけの相手や、個人名義の口座へ返済させる相手は、県警の言う「実態がつかめない業者」です。

金融庁の検索に出てくる岡山の17社の電話番号は、どれも「086」で始まる岡山県内の固定電話でした。携帯番号や、県外の市外局番だけを示して「岡山の業者です」と名乗る相手は、この一覧のどこにも当てはまりません。

4.頼んでいない入金があったら、使わない

押し貸しの手口です。入金の記録を残し、自分からは返済の話を進めないでください。関わってしまった場合の動き方は、次のページにまとめています。 → ソフト闇金より先に確かめること

まとめ:岡山県知事の登録業者は、9年で27社から14社に減りました。残っているのは、岡山市北区を中心とする17社(財務局登録3社を含む)です。正規の小さな貸し手が減った一方で、名簿を使って電話やダイレクトメールで近づくヤミ金融は、登録番号を書いていても信用できない、と県警は注意しています。表と照らし、番号を検索し、出てこなければ県に過去の登録まで聞く。この順で確かめてください。地元の登録業者が少ない県だからこそ、照合にかかる手間はわずか数分で済みます。

ほかの県の登録業者の数と見分け方は、京都・宮城の記事にもまとめています。 → 宮城の登録業者17社と悪質業者の型

出典:金融庁 登録業者の検索(本店所在地=岡山県、2026年9月27日表示の17件)/岡山県「貸金業の登録を調べたい」「貸金業について」(いずれも2025年4月1日更新)/岡山県警察「ヤミ金融にご用心!」(2026年7月6日更新)。