サラ金のランキングを決算の月次資料で読む|アコムとアイフルの申込件数・成約率・貸付残高(2026年8月末)

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「サラ金 ランキング」「サラ金 おすすめ」と調べると、星の数や「審査通過率」を並べた比較記事がたくさん出てきます。けれども、その順位や率がどこから来た数字なのかは、たいてい書かれていません。大手の消費者金融のうち、アコムとアイフルは、毎月の申込件数・新しく契約した件数・貸付残高を自分で公表しています。2026年4月から8月までの5か月を足すと、アコムには39万7,672件の申込みがあり、新しく借りられたのは15万3,917件(38.7%)でした。アイフルは40万8,300件の申込みに対して11万6,154件(28.4%)です。

この記事は、2社が投資家向けに出している月次の資料(2026年8月末時点)をそのまま読み、「どこが人気か」「どこが通りやすいか」を数字で確かめるものです。ランキングを作る記事ではありません。比較記事に出てくる率の読み方と、その率が自分にとって何を意味するのかを整理します。

2社が毎月出している数字

アコム株式会社は「マンスリーレポート」として、ムニノバホールディングス(アイフル株式会社の持株会社)は「月次データ」として、毎月の営業の数字を公表しています。2社とも、2026年8月末までの数字が出ていました。

項目(2026年8月末) アコム アイフル
ローン事業の貸付残高 1兆144億円 6,825億円
うち消費者(個人)向け無担保 1兆130億円 6,640億円
残高のある口座数(ローン) 200万3,668件 143万件
前の年の同じ月と比べた残高の伸び 6.4% 6.8%
1口座あたりの残高(個人向け無担保) 約50万6,000円 約46万9,000円

アコム株式会社「マンスリーレポート 2026年8月末」、ムニノバホールディングス「アイフル月次推移(2026/4〜2027/3)」。億円未満は切り捨て。1口座あたりはアコムの資料の「1口座当たり貸付単価」505千円と、アイフルの個人向け無担保残高6,639億8,200万円÷141万5,000口座の当サイトの計算。

残高で見るとアコムはアイフルの約1.5倍、口座数でも約1.4倍です。1口座あたりの残高は2社とも40万〜50万円台で、多くの人は数十万円の単位で借りています。どちらも前の年より残高が6%台で伸びていて、消費者金融から借りる人の総額は増えています。

ここで言う「ランキング」の意味を先に決めておくと、貸付残高や口座数の大きさは、どれだけ多くの人が借りているかを示す数字です。借りやすさや、借りる人にとっての良し悪しを示すものではありません。比較記事が「人気No.1」と書く時の根拠が何なのかは、たいてい示されていませんが、規模の順位なら、こうした公表資料で確かめられます。

「審査通過率」の元になっている数字

比較記事が「通過率」「成約率」として書く数字の元は、こうした月次の資料にある「新規申込数」と「新しく契約した件数」の比です。2026年4月から8月までの月ごとの数字を並べます。

月 アコム 新規申込数 アコム 新客数 アコム 新規貸付率 アイフル 申込件数 アイフル 新規獲得件数 アイフル 新規成約率
2026年4月 75,351 30,234 40.1% 83,281 23,602 28.3%
5月 86,175 34,292 39.8% 92,607 25,741 27.8%
6月 74,986 29,165 38.9% 78,052 22,974 29.4%
7月 76,807 28,658 37.3% 73,882 21,180 28.7%
8月 84,353 31,568 37.4% 80,478 22,657 28.2%
5か月の合計 397,672 153,917 38.7% 408,300 116,154 28.4%

同上の資料。アコムの新規貸付率は提携カード分を除く。アイフルは個人向け無担保ローンの数字。

アコムの2025年度(2025年4月〜2026年3月)通期では、新規申込数93万1,676件に対して新客数36万2,732件、新規貸付率は38.9%でした。2026年度の5か月もほぼ同じ水準です。アイフルの新規成約率は、5か月とも27.8%から29.4%の間に収まっています。どちらの会社も、月による上下はあっても、申し込んだ人のうち借り始めるのは「3割前後」か「4割前後」で、半分を超える月は一度もありませんでした。

検索の上位には「アコムの通過率40%」「アイフルの審査通過率は30.4%」といった題の比較記事が並んでいます。数字そのものは、こうした公表資料から取ったものに近いと思われますが、どの月・どの年度の数字かが書かれていないことが多く、月によって1〜3ポイントは動きます。率を見る時は、いつの数字か、何を分母にした数字かを確かめてください。

1日あたりに直すと、2026年8月にアコムに届いた新規の申込みは約2,721件、アイフルは約2,596件です。2社だけで、毎日5,000件を超える申込みが入っている計算になります。この中で、その日のうちに新しく借りられるのは、アコムで1日1,000件前後、アイフルで700件前後です。「即日融資」をうたう広告の陰で、同じ日に同じくらいの数の人が、申し込んだのに借りられないという結果を受け取っています。

2社の率は、そのまま比べられない

表を並べると、アコムの38.7%とアイフルの28.4%で、アコムのほうが10ポイント「通りやすい」ように見えます。けれども、この2つは同じ物差しで測った数字ではありません。

アコム アイフル
資料での名前 新規貸付率 新規成約率
分子 新客数(新しく貸し付けた顧客の数) 新規獲得件数
分母 新規申込数 申込件数
資料に書かれた注 提携カード分を除く 個人向け無担保ローン

申込みとして何を1件と数えるか(途中でやめた申込み、同じ人の重複した申込みをどう扱うか)、新しく契約した件数として何を数えるかは、資料には細かく書かれていません。2社の定義が違えば、率の差は審査の厳しさの差ではなく、数え方の差かもしれません。同じ会社の中で月ごとの動きを見るのには使えますが、会社どうしの順位を付ける材料としては、注意が要ります。

呼び方にも気をつけてください。比較記事は「審査通過率」と書きますが、2社の資料の名前は「新規貸付率」と「新規成約率」で、どちらも「審査に通った割合」とは書いていません。審査に通っても、提示された限度額や金利を見て契約しなかった人、途中で手続きをやめた人がいれば、その分は契約の件数に入らず、率は下がります。逆に言えば、資料の率は「申し込んで、実際に借り始めた人の割合」に近い数字で、審査そのものの通りやすさよりも低く出ている可能性があります。

もう一つ大事なのは、この率が「申し込んだ人全体」の平均だということです。収入や他社からの借入れの状況が人によって違う以上、平均の率が自分に当てはまるわけではありません。貸金業法13条は、登録を受けた貸金業者に、申し込んだ人の収入や借入れの状況、返済計画を調べることを義務づけています。率が4割前後ということは、残りの6割前後は、調べた結果として貸さなかったか、申し込んだ側が契約しなかった、ということです。

断られた6割の人は、どこへ行くのか

5か月の合計で、アコムでは24万3,755件、アイフルでは29万2,146件の申込みが、新しい契約にはなりませんでした。2社だけで、5か月に50万件を超えます。この中には、同じ人が両方に申し込んで両方で断られた件も含まれるはずなので、人数はこれより少ないと考えられます。それでも、毎月数万人規模の人が、大手で借りられずに次の行き先を探していることになります。

金融庁が委託した調査では、ヤミ金融から借りた理由として「借入れが限度額に達して、正規の金融機関から断られたため」が挙がっています。「サラ金 ランキング」を調べている人の中には、すでにどこかで断られ、次に通りそうな会社を探している人も多いと思います。その状況で目に入るのが、「審査が甘い」「どこよりも通りやすい」とうたうソフト闇金の広告です。→ ヤミ金を使った人はなぜ借りたのか|金融庁2026年調査で読む理由

大手で断られたという結果は、少なくとも、その会社が13条の調査をした上で「今は貸せない」と判断した、という情報です。率が4割前後の会社で断られた後に、「どなたでも借りられる」と書く相手に申し込めば、そこで待っているのは返済能力を調べないまま貸す相手です。比較記事の順位をたどって申込みを重ねるより先に、断られた理由に近いもの(他社の借入れの額、収入の書類、延滞の記録)を自分で確かめるほうが、次の判断の材料になります。

申込みは増えているのに、契約は増えていない会社もある

月次資料には、前の年の同じ月と比べた増減も載っています。ここを見ると、2社の動きは同じではありませんでした。

前の年の同じ時期との比較 アコム アイフル
2026年8月の新規申込数 9.1%増 1.5%増
2026年8月の新しい契約の件数 7.5%増 5.9%減
4〜8月の新規申込数の合計 2.8%増 1.0%増
4〜8月の新しい契約の件数の合計 1.1%増 7.4%減

同上の資料の前年同月比・前年同期比の欄。

アイフルは、申込みの数が前の年とほぼ同じか少し多いのに、新しく契約した件数は4月から8月まで毎月、前の年を下回っていました。申込みが減っていないのに契約が減っているということは、同じように申し込んでも契約に至る割合が下がっている、ということです。理由は資料に書かれていないので、審査を厳しくしたのか、申込みの中身が変わったのかは分かりません。ただ、比較記事が何年も前の「通過率」を載せたままだとすれば、今の数字とはずれている可能性があります。

アコムは、申込みも契約も前の年を上回っていて、8月は申込みが9.1%、契約が7.5%増えていました。新規貸付率は前の年より0.6ポイント下がっていますが、件数そのものは伸びています。同じ「大手の消費者金融」でも、年ごとの動きは会社によって違います。比較記事の順位が、こうした年ごとの変化を反映しているかどうかは、記事を見ただけでは分かりません。

アコムの2025年度通期の利息返還請求は7,000件、返還金は120億2,300万円でした。2026年度は5か月で2,010件と、前の年の同じ時期より4割以上少なくなっています。

アイフルの営業債権の4割近くは「保証」:銀行のカードローンの裏側

アイフルの月次資料で、貸付残高より大きく伸びている項目があります。「信用保証事業等(支払承諾見返等)」で、2026年8月末に4,205億7,400万円、前の年の同じ月より34.6%増えていました。営業債権の合計1兆1,032億500万円のうち、自分で貸している貸付残高(6,825億円)とは別に、これだけの額を保証しています。

信用保証の事業は、銀行などが個人に貸すカードローンについて、借りた人が返せなくなった時に代わりに返す役を引き受けるものです。保証を引き受ける時には、保証会社も申し込んだ人を審査します。つまり、銀行のカードローンに申し込んだつもりでも、審査の一部は消費者金融のグループ会社が担っていることがある、ということです。どの銀行のどの商品をアイフルが保証しているかは、この月次資料には書かれていませんが、銀行のカードローンの契約書や商品説明には、保証会社の名前が書かれています。

このことは、「銀行なら通る」「消費者金融で断られたから銀行へ」という比較記事の勧め方にも関わります。保証会社が同じグループなら、同じ情報をもとに似た判断がされる可能性があります。申し込む前に、その商品の保証会社がどこかを確かめておくと、何社にも申し込んで断られ続ける事態を避ける手がかりになります。

アコムが立てている今年度の計画

アコムの月次資料には、2027年3月期(2026年度)の計画も載っています。ローン事業の貸付残高は1兆492億円、残高のある口座数は204万4,900件、新客数は36万件を計画としていました。新客数の計画は前の年度(36万2,732件)より0.8%少なく、新しく借りる人の数は横ばいからやや減る見込みです。一方で、残高は前の年度末より増える計画です。

新しく借りる人が増えないのに残高が増えるということは、すでに借りている人が借りる額を増やすか、返すより借りるほうが多い状態が続くということです。1口座あたりの残高も、2026年3月の50万円から8月の50万5,000円へ、少しずつ上がっていました。比較記事の「人気」や「順位」は新しく申し込む人に向けた話ですが、会社の数字の動きを見ると、残高の伸びは、いま借りている人の借入れの積み増しにも支えられています。

アイフルについては、もう一つ書き添えておきます。アイフル株式会社は今、持株会社のムニノバホールディングスの子会社で、投資家向けの月次の数字も持株会社のサイトに載っています。借りる時の窓口はこれまでどおりアイフル株式会社ですが、「アイフル」の数字を調べる時は、持株会社の資料を見ることになります。

店舗・利息返還の数字が示す、もう一つの変化

月次の資料には、申込みや残高のほかにも、業界の今を示す数字が載っています。

項目 アコム アイフル
ローン事業の店舗数 2026年3月501店 → 8月452店(すべて無人店舗) (月次資料に記載なし)
自動契約機の台数 2026年3月503台 → 8月454台 (月次資料に記載なし)
利息返還請求件数(4〜8月の合計) 2,010件(前年同期比42.6%減) 310件(同50.8%減)
利息返還金(4〜8月の合計) 31億9,600万円 6億9,100万円

同上の資料。アコムは2026年4月度から利息返還請求件数を10件単位で表示。

アコムの店舗はすべて無人店舗で、5か月で49店、自動契約機も49台減りました。申込みの多くがインターネットに移ったことの表れです。同じ資料によると、アコムの社員数は2026年8月末で2,297人でした。200万を超えるローンの口座と、月に8万件前後の新しい申込みを、この人数と452の無人店舗、インターネットの手続きで受けていることになります。借りる側から見ると、店で人と話して決める場面が減り、申込みから契約までを画面の中で進めることが当たり前になっています。

利息返還請求は、かつて利息制限法の上限を超えて払った利息(いわゆる過払い金)を返すよう求めるものです。2社とも前の年より4〜5割減っていて、グレーゾーンの金利で貸していた時代の取引が残り少なくなっていることが分かります。今の大手の金利は法律の上限内で、比べる時に見るべきなのは、上限金利よりも、自分に付く金利と毎月の返済額です。

「ランキング」を自分で作るなら、見る順番

1. 規模を知りたいなら、残高と口座数を見る

どこが大きいかは、各社の月次資料や決算資料の貸付残高と口座数で分かります。2026年8月末で、アコムは1兆144億円・200万口座、アイフルは6,825億円・143万口座でした。

2. 「通過率」を見るなら、月と定義を確かめる

比較記事に書かれた率が、いつの月の数字か、分母と分子が何かを確かめてください。会社ごとに定義が違えば、率の差は数え方の差かもしれません。

3. 自分に付く条件は、公式の返済シミュレーションで確かめる

平均の率や順位は、自分が借りられるかどうかも、いくら払うかも教えてくれません。借りる額と回数を入れて、毎月の返済額と総支払額を公式のページで出すのが、いちばん確かな比べ方です。

4. 断られたら、申込みを重ねる前に理由に近いものを確かめる

短い期間に何社も申し込むと、その申込みの記録も信用情報に残ります。大手の率が4割前後であることを前提に、断られた時に次にどうするかを先に決めておいてください。

「サラ金」という言葉と、今の「消費者金融」という呼び方がどうつながっているかは、別の記事で書いています。→ サラ金の審査時間と評判|「サラ金」で検索しても出てこない理由

今日、比較記事を見ながら迷っている人へ

順位や星の数より先に、2つの数字を自分で確かめてください。一つは、申し込もうとしている会社の公式サイトに出ている自分の借入額での毎月の返済額。もう一つは、今ほかから借りている合計の額です。大手の新規の契約は、申し込んだ人の4割前後です。断られたとしても、それは「調べた上で今は貸せない」という結果で、もっと甘い相手を探す合図ではありません。

大手で断られた後に、「審査なし」「ブラックでも」と書く相手に申し込もうとしているなら、その前に、借りる前・借りた後に確かめる順番と相談先をまとめたページを開いてください。→ ソフト闇金で借りる前に確かめること

この記事で使った資料:アコム株式会社「マンスリーレポート 2026年8月末」、ムニノバホールディングス株式会社「月次データ(アイフル月次推移 2026/4〜2027/3)」(いずれも2026年10月16日閲覧)、貸金業法13条(e-Gov法令検索)。プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)とレイクについては、同じ形の月次の申込・成約の数字を今回の確認では見つけられなかったため、比べていません。