鹿児島の登録貸金業者は6社・全部鹿児島市|個人0、架空の貸金裁判「知らぬ間訴訟」と県の対策協議会から見分け方を整理【2026年9月】

✅在籍確認なし・秘密厳守
↓

2026年9月29日に金融庁の検索で本店所在地を「鹿児島県」に指定すると、出てきた貸金業者は6社でした。6社とも本店は鹿児島市にあり、個人の業者は1社もありません。県本土の他の市町村にも、奄美や屋久島などの島々にも、正規の貸金業者の本店は一つもないということです。一方で2026年8月には、鹿屋署が、架空の貸金の裁判を起こして面識のない女性の預金を差し押さえさせた疑いで男を逮捕し、県内で初めての「知らぬ間訴訟」の摘発として報じられました(男はその後、不起訴になっています)。この記事では、鹿児島の正規の6社と、県・警察・金融機関がつくる対策の仕組み、そしてお金の貸し借りを装った最近の事件を並べ、鹿児島で借り先を確かめる手順を整理します。

※登録業者は、金融庁の登録業者の検索で本店所在地を「鹿児島県」に指定し、2026年9月29日に表示された6件。

6社とも、本店は鹿児島市

まず、正規の6社を全件並べます。代表者名は省きました。

商号 登録番号 本店 登録年月日
株式会社鹿児島カード 九州財務局長(15)第00030号 鹿児島市泉町 2026年9月21日
株式会社キャネット 九州財務局長(8)第00127号 鹿児島市呉服町 2026年4月12日
鹿児島リース株式会社 鹿児島県知事(14)第00401号 鹿児島市泉町 2023年11月1日
有限会社伊佐信販 鹿児島県知事(11)第01167号 鹿児島市荒田 2024年3月15日
南国ファイナンス株式会社 鹿児島県知事(7)第01532号 鹿児島市中央町 2025年7月1日
NCかごしま株式会社 鹿児島県知事(1)第01542号 鹿児島市東千石町 2024年11月22日

※金融庁の登録業者の検索(2026年9月29日表示)。鹿児島リースは日本貸金業協会の会員番号が表示されていなかった。電話番号は検索結果で確かめられる。

鹿児島カードと鹿児島リースは、本店がどちらも鹿児島市泉町3番3号の「鹿児島銀行本店別館ビル」の中にありました(8階と5階)。名前と住所から見て、銀行の系列とみられます。鹿児島カードの(15)は、3年ごとの更新を14回重ねた計算で、40年前後続いている登録です。反対に、NCかごしまは(1)で、2024年11月22日に登録を受けたばかりでした。伊佐信販は、社名に県北部の伊佐市の地名が入っていますが、本店の住所は鹿児島市荒田です。社名に入った地名と、本店の場所は一致するとは限りません。確かめるときは、社名の印象ではなく、検索結果の所在地を見てください。

6社が鹿児島市に集まっているということは、県内のほかの地域に住む人が「地元の業者」を探しても、本店が近くにある正規の業者は見つからないということです。薩摩川内や鹿屋、奄美の住所を名乗る貸金業者から連絡があったら、それだけで一度疑ってよいと言えます。本店が鹿児島市でなくても、他県に本店がある財務局長登録の業者の営業所という可能性はありますが、その場合も登録番号で確かめられます。

登録年月日から、次の更新の時期も分かります。登録の有効期間は3年なので、2023年11月1日に登録された鹿児島リースは、2026年11月に3年の区切りを迎えます。いちばん新しいのは、2026年9月21日に登録された鹿児島カードでした。更新されなければ一覧から消えるので、借りる時点で改めて検索して確かめてください。

隣の県と比べる

本店所在地 件数 うち知事登録 うち個人
熊本県 13 10 3
宮崎県 10 8 2
鹿児島県 6 4 0

※金融庁の登録業者の検索で、本店所在地を各県に指定して数えた件数(いずれも2026年9月29日表示)。鹿児島と陸で接する熊本・宮崎を並べた。

接する2県と比べても、鹿児島の6件は少なく、個人の業者は鹿児島だけが0でした。熊本には3件、宮崎には2件の個人の業者がありますが、鹿児島では個人で登録して貸している人はいません。「鹿児島の個人です、少しなら貸せます」と名乗る相手は、登録を受けた貸金業者ではないと考えてよいということです。

架空の貸金の裁判で、預金が差し押さえられた「知らぬ間訴訟」

南日本新聞は2026年9月2日、鹿屋署が、偽造有印私文書行使の疑いで鹿屋市の67歳の会社役員の男を8月25日に逮捕したと、9月1日に発表したことを伝えました。逮捕の疑いは、実在しない貸金の返還を求める裁判のために偽の契約書の写しを裁判所に出したというもので、実際に面識のない女性の預金が差し押さえられていました。FNNは、差し押さえられたのは10万円以上で、男は逮捕の時点で容疑を認めていたと伝えています。同様の「知らぬ間訴訟」は全国で相次いでおり、県内での摘発は初めてだと報じられました。

時期 出来事
2023年11月 架空の貸金返還請求訴訟を起こすため、偽造した金銭消費貸借契約書の写しを鹿屋簡易裁判所に提出した疑い(逮捕容疑)。債務者とされたのは、面識のない愛知県の50代女性
提訴の後 何らかの方法で、裁判所からの呼び出し状などが女性の元に届かないように工作したとされる
2024年1月 簡易裁判所の差し押さえ命令に基づき、女性の預金が差し押さえられた
2024年3月 女性が差し押さえに気づき、同年3月に再審が決まる
2024年6月 判決は無効になったが、お金は戻っていない
2024年10月 女性が県外の警察に告発状を提出
2026年8月25日 鹿屋署が男を逮捕(9月1日発表)。女性を直接だましていないため、この逮捕容疑での被害者は簡易裁判所になるとされる
2026年9月15日 鹿児島地検が男を不起訴処分に。理由は「証拠関係を検討した結果」とだけ説明された

※南日本新聞(2026年9月2日・9月17日)とFNNプライムオンラインの報道による。署は差し押さえられた金額を明らかにしていない。

この事件で使われたのは、ヤミ金のような高い利息ではなく、「お金を貸した」という偽の書類と、裁判の仕組みそのものでした。女性はお金を借りていないのに、書類の上では借り手にされ、知らないうちに裁判に負け、預金を差し押さえられました。FNNは、事情を知らない女性が裁判を欠席し、欠席裁判では出廷した側の主張が認められるため、原告側が勝訴したと説明しています。裁判に出なかったこと自体が、負けにつながる仕組みです。判決が無効になった後も、差し押さえられたお金は戻っていないと報じられています。

男は不起訴になり、誰がどう責任を負うのかは刑事手続きの上では決着しないまま終わりました。それでも、面識のない人が裁判で「借り手」にされ、預金を差し押さえられたという事実は残ります。この事件から読み取れる教訓は二つあります。一つは、裁判所からの書類が届かないように工作されていたことです。裁判所から郵便が来ないまま預金が差し押さえられたら、身に覚えがなくても、すぐに差し押さえの中身を確かめる必要があります。もう一つは、「金銭消費貸借契約書」という書類は、偽造すれば他人を借り手に仕立てる道具になるということです。ヤミ金とのやり取りで、身分証の画像や署名入りの書類を渡すことが危ないのは、こうした使われ方もありうるからです。

裁判所が示している、郵便を受け取ったときの確かめ方

最高裁判所のウェブサイトは、「裁判所の手続を悪用した架空請求等にご注意ください。」というページで、支払督促や少額訴訟などの手続を悪用し、架空の請求を裁判所に申し立てる事例があると注意を呼びかけています。支払督促は、要件を満たしていれば相手方の言い分を聞かずに発せられ、相手方から異議が出て初めて請求が認められるかどうかを審理する仕組みなので、申し立ての段階では架空の請求かどうか裁判所には分からない、と説明しています。

そのうえでページは、裁判所から届いた郵便を身に覚えがないとして放置すると、架空の請求について判決などが出され、強制執行を受けることがあると書いています。郵便は必ず中身を確かめ、不審な点があれば、書かれている電話番号が偽物でないかを電話帳などで確かめたうえで、裁判所に直接問い合わせること。書面を裁判所に持っていってもかまわないこと。そして、裁判所の職員が電話でお金の支払いを指示することはない、とも明記しています。

鹿屋の件は、この「郵便を放置すると」という場面をさらに進めて、郵便そのものが届かないように工作されたとされる例でした。裁判所からの郵便が届いたら必ず開けて確かめる。届かないまま預金が差し押さえられたら、すぐに差し押さえの中身を確かめる。どちらの場面でも、放置しないことが身を守る第一歩になります。身に覚えがないことは、放っておく理由にはなりません。

年利約180%の事件の見出し

もう一件、産経新聞の2026年6月24日付の記事に、「ヤミ金営み年利約180%の利息受け取り 容疑で鹿児島…」という見出しの記事がありました。記事は現在削除されていて本文を確かめられなかったため、ここでは見出しに出ている数字だけを扱います。見出しからは、誰が誰にいくら、どのくらいの期間貸していたのかは分かりません。分かるのは、鹿児島で年利約180%の利息を受け取った疑いの事件が報じられた、ということだけです。

比べる線 年利約180%との比較(当サイトの計算)
登録業者の上限(10万円以上100万円未満なら年18%) 約10倍
出資法で、業として貸す場合に刑事罰の対象となる年20% 約9倍
出資法でさらに重い罰則の線、貸金業法で契約が無効になる線の年109.5% 約1.6倍

※見出しの「年利約180%」をもとにした目安。

年利180%は、10万円を1年借りれば18万円、1か月あたりにすると1万5,000円の利息です。これまで当サイトで扱ったソフト闇金の年数千%と比べると低く見えますが、それでも業者に許された上限の9倍を超えます。「ほかのヤミ金よりまし」に見える数字でも、違法であることに変わりはありません。

鹿児島県が示している考え方

鹿児島県の「違法な金融業者にご注意ください!」というページ(2024年11月20日更新)は、違法な金融業者を使わないことが一番の防衛策だとしたうえで、借りる前の確かめ方と、被害にあったときの考え方を示しています。要点を拾います。

県のページの記載 読み取れること
まず登録貸金業者かどうかを確かめる。登録の確認ができない業者からは絶対に借りない 確かめる順番の一番目は登録
出資法で定める上限金利は年20.0%で、これを超える利息は出資法違反となり罰則の対象 業者が年20%を超えた時点で犯罪になる
年109.5%を超える利率の消費貸借契約は、契約そのものが無効(貸金業法第42条)で、借り手は一切の利息を支払う必要がない 数百%、数千%の契約は、利息を払う義務がそもそもない
契約書類や資料、業者とのやり取りの録音など、犯罪行為を立証するための証拠を残す 記録を残すことが、後の手続きの前提になる

※鹿児島県「違法な金融業者にご注意ください!」(2024年11月20日更新)より要約。

同じページは、2008年(平成20年)6月10日の最高裁判決の概要も紹介しています。年利数百%から数千%という著しく高い利息での貸付けは不法行為になり、借り手は元利金の返済として払った金額の全額を損害として賠償を求めることができる。そして、ヤミ金融業者が貸付けとして渡したお金は不法原因給付にあたるため、業者は借り手に返還を求めることができない、という内容です。著しく高い利息のヤミ金から借りたお金は、返す義務そのものが否定されうるということを、県のページがはっきり書いています。

県のページは、「ヤミ金融業者」という言葉の範囲も説明しています。貸金業法に基づく国か都道府県の登録を受けずに営業する業者をヤミ金融業者と呼ぶほか、登録業者であっても、法律に違反する高金利での貸付けや悪質な取り立てを行う業者もヤミ金融業者と呼ばれる、というものです。登録番号があることは最低限の条件で、それだけで安全とは限らないという書き方です。登録の確認に加えて、金利と取り立て方も見る必要があります。

ショッピング枠の現金化への注意

同じ県のページは、「クレジットカードのショッピング枠の現金化」の広告にも注意を呼びかけています。日本クレジット協会の説明を引いて、クレジットカード会社は換金を目的とした利用を認めておらず、規約違反として残金の一括請求やカードの利用停止、強制退会などのペナルティを受けることがあると書いています。現金化しても、カードで使った代金はカード会社に払わなければならず、一時的にしのげるだけで、結局は自分の借金を増やすことになる、とも説明しています。

さらに、現金化の業者に渡したカード番号や個人情報が悪用されることがあり、場合によっては利用者本人が犯罪に問われたり、トラブルに巻き込まれたりすることもあるとしています。「借金ではない」という形をとる現金化も、中身は手数料の高い借り入れと変わらないということです。登録の無い貸し手から借りることと並んで、県が名指しで注意している手口でした。

県・警察・金融機関がつくる対策の協議会

鹿児島県のページ「ヤミ金融等被害対策について」(2023年8月4日更新)によると、2020年(令和2年)3月に「鹿児島県多重債務・ヤミ金融等対策協議会」が設置されました。構成しているのは22団体で、県警からは生活環境課・組織犯罪対策課・警察安全相談センター・生活安全企画課の4つの部署が加わっています。ほかに、九州財務局鹿児島財務事務所、鹿児島県、鹿児島市、鹿児島県警察本部、弁護士会、司法書士会、日本貸金業協会鹿児島県支部、県内の銀行・信用金庫・信用組合の協会、ゆうちょ銀行、市長会・町村会などです。

協議会の取り組みとして、県のページは三つを挙げています。

取り組み 中身
情報交換の促進 ヤミ金融などに関する情報交換を進め、相談窓口どうしの連携を強める
悪質な業者が使う金融機関口座の情報提供 ヤミ金融業者が預金口座を使って違法な取り立てをしたり、架空請求で振り込みを求めたりする事例の情報を受け付け、その口座がある金融機関や警察に提供して、口座の解約や取り締まりにつなげる
広報・啓発 県の広報誌や新聞、テレビ、ラジオで、被害の未然防止を呼びかける

二つ目の取り組みは、借りてしまった人にとって意味のある仕組みです。ヤミ金から指定された振込先の口座番号は、それ自体が、口座を止めてもらうための情報になります。振込先を毎回変えてくる業者もいますが、指定された口座の記録を残しておけば、それを伝えることができます。

鹿児島で借り先を確かめる手順

1.相手の登録番号を聞き、上の6社と金融庁の検索で照らす

鹿児島に本店があるなら6社のどれかで、しかも住所は鹿児島市です。県外の業者でも、登録があれば検索に出てきます。

2.「個人で貸します」と言う相手からは借りない

鹿児島県内に本店がある個人の登録業者はいません。接する熊本や宮崎の個人の業者を名乗る場合も、登録番号と所在地を検索で照らしてください。

3.身分証の画像や、署名した書類を渡さない

鹿屋の事件では、偽の金銭消費貸借契約書の写しが、面識のない人を借り手に仕立てる道具として使われました。

4.身に覚えのない差し押さえや請求があったら、すぐに中身を確かめる

知らない間に裁判が進んでいることもあります。放置すると、お金が戻らなくなるおそれがあります。裁判所からの郵便に書かれた番号にそのままかけず、電話帳などで調べた裁判所の番号に問い合わせてください。最高裁判所のページも、その手順をすすめています。

5.すでに払っているなら、振込先と記録を残して外に相談する

振込先の口座情報は、口座を止めてもらう手がかりになります。相談の順番は、次のページにまとめています。 → ソフト闇金より先に確かめること

まとめ:鹿児島県に本店がある正規の貸金業者は、2026年9月29日の時点で6社だけで、6社とも鹿児島市にあり、個人の業者は0でした。接する熊本・宮崎と比べても少なく、個人の業者がいないのは鹿児島だけです。2026年8月には、鹿屋署が、架空の貸金の裁判で面識のない女性の預金が差し押さえられた件で男を逮捕しました(後に不起訴)。県は、業者が年20%を超える利息を取れば出資法違反、年109.5%を超える契約は無効だと示し、2020年からは22団体の協議会で、ヤミ金が使う口座の情報を金融機関と警察につないでいます。相手の番号を6社と照らす、個人の貸し手からは借りない、書類や身分証を渡さない。それが鹿児島で身を守る手順です。

ほかの地域の登録業者と見分け方は、沖縄の記事にもまとめています。 → 沖縄のSNSヤミ金と登録業者45社

出典:金融庁 登録業者の検索(本店所在地=鹿児島・熊本・宮崎、2026年9月29日表示)/鹿児島県「違法な金融業者にご注意ください!」(2024年11月20日更新)・「ヤミ金融等被害対策について」(2023年8月4日更新)/南日本新聞(2026年9月2日・9月17日)/FNNプライムオンライン(2026年9月)/最高裁判所「裁判所の手続を悪用した架空請求等にご注意ください。」/産経新聞(2026年6月24日、見出しのみ確認)。