「キャッシング いつも」で検索した人は、たいてい次の三つのどれかです。①公式サイトに申し込む前に、本当に正規の会社か確かめたい。②「いつも」を名乗るLINEから融資の案内が来て、これが本物か分からない。③他社に断られた状態で、ここなら通るという話を聞いた。この記事は三つ全部に、同じ一つの方法で答えます。本物の「いつも」の輪郭を登録簿と公式の数字から引き、それに当てはまらないものを偽物と判定する方法です。
この記事を書き直した直接のきっかけは、2026年9月8日に「いつも」の公式サイトに出た一本の告知です。「弊社を装ったLINEによる詐欺にご注意ください」。この告知が出た以上、「いつも」について書く記事は、会社の説明より先に「本物と偽物の見分け方」を置かなければ意味がありません。以下、筆者が2026年9月11日に自分で確認した内容だけで組み立てます。
※確認先=金融庁の登録貸金業者の検索ページ(2026年4月28日時点のデータ)、株式会社いつもの公式サイト(会社概要・貸付条件・お知らせ)、警察庁が2026年6月5日に公表した「令和7年における特殊詐欺の認知・検挙状況(確定値)」。利用者の体験談は一切載せていません。
公式が9月8日に出した警告は、何を言っているのか
告知の要点は三つに分解できます。
①弊社を装ったLINEアカウントから融資の勧誘を受け、保証料の支払いを求められる事案が確認されている。
②これは弊社とは一切関係のない第三者が、弊社を装って行っている。
③弊社では保証料を一切いただいていない。求められても決して振り込まないように。
出典:株式会社いつも 公式サイト「いつもからのお知らせ」2026年9月8日付
ここで注目したいのは、警告の中心が「LINE」ではなく「保証料」に置かれていることです。融資の前に保証料・保証金・手数料といった名目でお金を振り込ませ、振り込んだ瞬間に連絡が絶える。警察庁はこの手口を特殊詐欺の一類型として「融資保証金詐欺」という名前で毎年数えています。
| 融資保証金詐欺(令和7年・確定値) | 数値 | 前年比 |
|---|---|---|
| 認知件数 | 379件 | +41件(+12.1%) |
| 被害額 | 約3.7億円 | +1.3億円(+53.8%) |
| 1件あたりの被害額(筆者計算) | 約97万円 | ― |
| 検挙件数 | 67件 | +26件 |
| 検挙人員 | 29人 | +14人 |
出典:警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」資料1。1件あたりは3.7億円÷379件を筆者が割ったもの。
件数そのものは特殊詐欺全体(27,832件)の1.4%に過ぎません。ただし被害額の伸び(+53.8%)が件数の伸び(+12.1%)を大きく上回っているのは、1件あたりの金額が膨らんでいるということです。1件で約97万円。「5万円だけ借りたい」と思って連絡した人が、保証料の名目で借りたい額の何倍も失う構図が、この数字から読めます。検挙件数が認知の17.7%しかないことも見ておいてください。振り込んだ後に取り返せる見込みは、統計上かなり低い。
本物の「いつも」の輪郭を、登録簿から引く
偽物を見分けるには、まず本物の形を正確に持っておく必要があります。「いつも」については、金融庁の登録検索と公式サイトの会社概要が完全に一致するので、その一致した部分をそのまま本物の定義として使えます。
| 項目 | 登録簿・公式の記載 |
|---|---|
| 商号 | 株式会社いつも |
| 代表者 | 國澤 和人 |
| 登録番号 | 高知県知事(5)第01519号 |
| 登録(更新)日 | 2026年4月25日(有効期限は令和11年4月25日まで) |
| 日本貸金業協会 会員番号 | 第005847号 |
| 本店 | 高知県高知市杉井流5番18号 |
| 登録簿上の電話番号 | 088-880-0777(公式サイトのナビダイヤルは 0570-055-126) |
| 設立・資本金 | 1993年2月8日・1,000万円 |
| 金融庁検索での該当件数 | 商号「いつも」で検索して1件 |
金融庁の登録検索(データ更新日 2026年4月28日)と公式サイト「会社概要」を、2026年9月11日に筆者が突き合わせたもの。
登録番号の括弧の中の「5」は登録の回数です。貸金業の登録は3年ごとの更新なので、5回目ということは少なくとも12年以上、途切れずに登録が続いている計算になります。同じ日に高知県で登録されていた業者は全部で9社(知事登録8社と四国財務局長登録1社)。その中で「いつも」だけが、全国向けにテレビCMとWeb申込みを展開している形です。
「知事登録」という点も読み替えておくと役に立ちます。貸金業の登録は、営業所を置く都道府県が一つなら知事、二つ以上にまたがれば財務局長が登録先になります。「いつも」が高知県知事登録ということは、営業所は高知県内だけで、全国の申込みはWebと電話で受けているということです。だから「東京支店の担当です」「大阪の営業所から連絡しています」という名乗りは、登録簿の形と矛盾します。営業所が無い場所を名乗る時点で、本物ではありません。
古い情報が残っている理由=2025年3月に法人名が変わった
公式のお知らせによると、2025年3月14日に法人名が「株式会社K・ライズホールディングス」から「株式会社いつも」に変更されています。事業内容や既存契約に変更は無いと告知されていますが、この変更より前に書かれたネット記事は旧法人名のままです。さらに筆者が確認した範囲では、旧法人名に加えて「熊本県の住所」や「九州財務局長の登録番号」で紹介している記事も残っていました。そこで金融庁の検索で熊本県に本店を置く登録業者13社を全件見ましたが、そこには水前寺の住所も「第00116号」という番号も存在しません。この記事の以前の版も旧法人名で書いていたため、今回、登録簿の記載に合わせて全面的に書き直しています。
この「古い記事との食い違い」は、本物と偽物を見分ける場面で実害になります。偽物のLINEが「登録番号は九州財務局長第○○号です」と言ってきたとき、古い記事を読んでいた人はそれを本物だと信じてしまうからです。照合の相手は必ず金融庁の検索結果そのものにしてください。他人の記事(この記事を含む)ではなく。
登録番号から実在を確かめる手順は、リリーフという業者を題材にした記事で画面の順番まで書いています。→ リリーフという金融は闇金?口コミと無登録業者の見分け方
「LINEだから偽物」では見分けられない。本物もLINEを使う
ここが一番間違えやすい点です。「いつも」の公式サイトを読むと、本物の「いつも」も業務にLINEを使っています。必要書類のページには「公式LINEアカウントまたはEメール宛に提出できる」とあり、限度額の増額申込みは「LINE公式アカウント/会員ログイン/電話のいずれか」、残高の確認も「公式LINEアカウントまたはお電話」と書かれています。つまり「LINEで連絡が来た=偽物」という単純な判定は成り立ちません。
では何で分けるのか。公式サイトの記載から逆算すると、本物のLINEと偽物のLINEは「向き」「順番」「お金」の三点で必ず食い違います。
| 照合点 | 本物の「いつも」(公式の記載から) | 装ったLINE(公式警告の記載から) |
|---|---|---|
| 連絡の向き | Webか電話で自分が申し込んだ後に、提出方法などが個別に案内される | 申し込んでいないのに向こうから融資の勧誘が届く |
| お金の順番 | 審査→契約→振込。契約前に利用者が払うものは無い | 振込の前に保証料を払えと言う |
| 保証料 | 「一切いただいていない」と公式が明記 | 保証料の支払いを求める(=それ自体が偽物の証明) |
| 電話番号 | 0570-055-126 または 088-880-0777 | それ以外の番号、または電話番号を教えない |
| 登録番号 | 高知県知事(5)第01519号と即答できる | 答えない・別の番号を言う・「登録は不要」と言う |
五つのうち「保証料」の一行だけで判定は終わります。理由は単純で、登録を受けた貸金業者の商売は「貸したお金に利息を付けて返してもらう」ことで成り立っていて、貸す前に利用者からお金を受け取る工程がそもそも存在しないからです。「保証料を払えば審査なしで振り込む」という提案は、貸金業の仕組みの外側にあります。「いつも」だけでなく、どの登録業者の名前を出されても同じです。
保証料を求められた時点で、相手が誰を名乗っていても会話を終える
「少額だから」「返金されるから」「信用を確認するためだから」という説明が付いてきても同じです。融資保証金詐欺の平均被害額は約97万円。最初に求められる額は小さくても、「追加の保証料」「解約手数料」と名目を変えて何度も振り込ませるのが典型です。振り込んだ後に「いつも」の公式に連絡しても、公式は「関係のない第三者」としか答えられません。
LINEだけで完結する融資の提案がなぜ危険なのかは、こちらで仕組みから分解しています。→ ソフト闇金LINE完結の正体|元金が永遠に減らない設計
本物の条件を、数字で読む
本物の輪郭が引けたので、次はその中身です。公式サイトの貸付条件表をそのまま写し、そこから筆者が計算した数字を添えます。
| 項目 | 公式の貸付条件(フリーローン) |
|---|---|
| 契約限度額 | 500万円まで(商品案内では1万円〜500万円) |
| 貸付利率 | 年率 4.80%〜20.00% |
| 遅延したときの割合 | 年率 20.00% |
| 返済方式 | 借入残高スライドリボルビング方式 |
| 返済期間・回数 | 最終借入日から最長60か月・1〜60回 |
| 返済期日 | 毎月1回の約定日制。約定日を含む営業日10日間が返済期間 |
| 貸付対象 | 20歳以上65歳以下で、安定した収入と返済能力を有する方 |
| 担保・保証人 | 原則不要 |
10万円を30日借りると利息はいくらか
公式サイトが自分で計算例を載せています。10万円×18.0%÷365日×30日=1,479円、20万円なら2,958円。これを、当サイトで扱っているソフト闇金の典型条件「10日で1割」に当てはめると、10万円を30日借りた利息は3万円です。同じ10万円・同じ30日で、1,479円と30,000円。約20倍の差になります。上限の20.0%で計算し直しても1,644円。上限で借りても18倍以上の開きです。
公式の返済例を計算し直すと、総利息が出る
貸付条件表には「10万円・年18%・毎月4,000円・32回」という返済例があります。この例で最後まで払うと利息の合計はいくらになるのか、公式は書いていません。そこで30日ごとに利息を乗せて4,000円ずつ引く計算を筆者が回したところ、回数は32回で公式表と一致し、利息の合計は約25,800円、支払い総額は約125,800円になりました。20万円(8,000円×32回)なら利息約51,600円、50万円(18,000円×37回)なら約148,700円です。いずれも回数が公式表と一致したので、計算の前提はずれていないと判断しています。
この「毎月4,000円で10万円が32か月かかる」という事実は、逆に言えば月4,000円しか返せない状態で10万円を借りると、2年8か月のあいだ他の借入れを増やす余地がほぼ無いということでもあります。利息が安いことと、返し切れることは別の話です。
「最大60日間利息0円」には、届かない人が多い
公式サイトが打ち出している「itsumoゼロ」は、条件を読むと「いつもでの契約が初めて」かつ「60万円以上の契約」の両方を満たした人だけが対象です。ここに貸金業法の「年収の3分の1を超える貸付けはできない」という規定を重ねると、60万円の契約枠が認められるには少なくとも年収180万円以上が必要になります。しかも他社の借入れがあれば、その分も3分の1の枠から引かれます。「他社で断られてここに来た」という人の多くは、無利息の対象に入る前の段階で条件から外れます。無利息を当てにして申し込む商品ではない、と理解しておくのが正確です。
遅れた場合の数字も先に持っておく
遅延したときの割合は年率20.00%。10万円を30日遅らせると1,644円です。この数字だけ見ると小さく感じますが、「いつも」の返済期日は約定日を含む営業日10日間が返済期間と定められていて、その期間を過ぎてから遅延の扱いになります。土日祝を含まない10営業日なので、暦の上ではおよそ2週間の幅があります。返せないと分かった時点で、会員ページの「メッセージ送信」か電話で期日の猶予を相談する窓口が公式に用意されている、というのも本物の側の特徴です。装ったLINEの側には、そもそも返済の相談という工程がありません。
「ブラックでも通る」という話を、公式の記載でどう読むか
ここは正直に書きます。公式サイトの貸付対象は「20歳以上65歳以下で、安定した収入と返済能力を有する方」の一文だけで、「ブラックでも可」という記載は貸付条件のどこにもありません。そして公式は指定信用情報機関として日本信用情報機構(JICC)に加盟し、CICと全国銀行個人信用情報センターとも提携先として名前を挙げています。つまり、申し込めば信用情報は必ず照会されます。「信用情報を見ない正規業者」は存在しないので、これは「いつも」の欠点ではなく登録業者の当然の姿です。
では何をもって「他社より通りやすい」と言われるのか。公式の記載から拾える材料は次の三つです。
- 在籍確認の電話が原則無い——「お勤めの確認はお電話で行いません。審査の結果により電話確認が必要な場合も、お客様の同意を得ずに実施しません」と明記。2023年1年間のWeb申込み契約者を対象にした実施割合のグラフも公開されています(グラフは画像のため、この記事では数値を引用していません)。
- カード発行なし・郵送物なし——契約時の郵送物は一切無いと明記。家族に知られる経路が一つ減ります。
- 審査結果は当日か翌営業日——初回申込みの結果はメールか電話。ただし18時以降の申込みは翌営業日の回答です。
この三つはいずれも「審査が甘い」ではなく「手続きの摩擦が少ない」という話です。在籍確認の電話が無いことと、審査が通ることは別です。公式が保証しているのは前者だけで、後者は誰にも保証できません。他社で落ちた理由を整理しないまま申し込んでも、同じ信用情報が照会されるだけです。→ キャッシングの審査に落ちる理由10と、次に通すための見直し方
「即日」の境界は営業時間で決まる(2026年9月11日の実例)
公式サイトのお知らせには、この記事を書いている当日「9月11日(金)は社員研修のため営業時間を9時30分〜15時45分に短縮する」という告知が出ていました。会員ページは通常どおり使えますが、初回審査の回答は営業時間内に限られます。「最短30分」という表示は、営業時間内に申し込んだ場合の話です。夕方以降に「今日中に」と焦って申し込んだ人は、翌営業日を待つことになります。ここで待てずにLINEの勧誘へ流れるのが、いちばん危ない動線です。
必要書類は「顔写真付き+保険証」の2点
フリーローンの本人確認書類は、免許証・マイナンバーカード・パスポートなどの顔写真付き1点と、健康保険証をセットで2点が必須です。収入証明は源泉徴収票・確定申告書・所得証明書・給与明細(フリーローンのみ可)のいずれか最新のもの1点。提出は公式LINEかメールです。ここでも「本物のLINEは、申込み後の案内で提出先として出てくる」という向きを覚えておいてください。逆方向、つまり書類を出す前に「振込先を教えろ」「保証料を送れ」と来るものは、どれだけ会社名が正確でも本物ではありません。
登録の有無で109社を分けた一覧も参考になります。「いつも」のように登録番号を即答できる側と、できない側で何が違うかを名前ごとに確認できます。→ ソフト闇金 業者一覧【2026年】登録の有無で分けた109社
今日の順番
1. 「いつも」を名乗る連絡が先に来た人——保証料・保証金・手数料の語が出た時点で終了。名乗った登録番号を金融庁の検索で引き、「高知県知事(5)第01519号」以外なら偽物。本物なら向こうから勧誘に来ない。
2. これから申し込む人——入口は公式サイト(126.co.jp)のWeb申込みか、0570-055-126。営業時間内なら最短30分で回答、18時以降は翌営業日。顔写真付き身分証と保険証の2点を先に手元に。
3. 借りる額を決める前に——10万円・年18%・月4,000円で32回、総利息約25,800円。毎月の返済額が生活から出るかを先に見る。無利息は60万円以上の契約が条件なので、当てにしない。
4. 落ちた人——信用情報は必ず照会される。落ちた理由を整理してから次を考える。ここでLINEの勧誘やソフト闇金に行くと、同じ10万円で利息が20倍になる。
5. 返済が遅れそうな人——約定日を含む営業日10日間が返済期間。過ぎる前に会員ページのメッセージ送信か電話で猶予を相談する。相談の窓口があること自体が、本物の側の証拠。
正規の業者に断られた後の選択肢を、ソフト闇金へ行く前に一度だけ整理しておく場所があります。→ ソフト闇金より先に|安全に借りる・返す・相談する完全ガイド
※本記事の数値は2026年9月11日時点の公式サイト・金融庁登録検索・警察庁公表資料に基づきます。貸付条件は変更されることがあるため、申込み前に公式サイトの貸付条件表を必ず確認してください。本記事は特定の業者への申込みを勧めるものではなく、名前を騙る勧誘から離れるための照合方法を示すものです。

