山形のヤミ金と登録業者4社|酒田署への相談から摘発された「審査不要」SMSのグループ、1日最大10.4%の事件も【2026年】

✅在籍確認なし・秘密厳守
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山形県に本店を置く、貸金業の登録を受けた会社は、2026年9月29日に金融庁の検索で調べたところ4社でした。一方、ここ数年に山形の報道機関が伝えたヤミ金の事件は二つとも、東京都に住む人たちが登録を受けずに貸していたものでした。そのうち一つは、スマートフォンに届いた「審査不要」「即日融資」のショートメッセージが入り口でした。この記事では、庄内地方の一人の男性が警察に寄せた相談から始まった事件を時間の順にたどり、報じられた数字を計算し直したうえで、山形で借り先を確かめる手順を並べます。

「完済したのに、また催促が来る」という相談

2024年4月中旬、酒田警察署に、庄内地方に住む20代の男性から相談が寄せられました。テレビユー山形の報道によれば、その内容は「貸し付けを受けて完済したのに、再び支払いの催促が来る」というものでした。この一件の相談から警察が捜査を進め、東京都内に事務所を構えていたグループに行き着きます。

時期 報じられた出来事
2023年3月ごろ〜2024年2月 グループが、のべ約5,000人に貸し付けていたとみられる期間
2023年11月〜2024年1月 名簿を使い、不特定多数の携帯電話に「審査不要」「即日融資」などのショートメッセージを送って貸し付けを持ちかけ、インターネットバンキングなどで複数人に計数十万円を貸したとされる期間
2024年4月中旬 庄内地方の20代男性が酒田署に相談
2024年11月6日 韓国籍で東京都豊島区に住む自称アルバイトの男(41)ら6人を、貸金業法違反(無登録営業)の疑いで逮捕
2024年11月27日 6人を起訴。同じ日に、出資法違反(高金利)の疑いで再逮捕
2024年12月 返済に困った客に銀行口座を開設させ、その口座を犯行に使っていた疑いが新たに報じられる

※テレビユー山形(2024年11月・11月27日)、NHK山形放送局(2024年11月27日)、山形放送(2024年12月10日)の報道、およびこれらを引用したしもひがし法務事務所の闇金情報ブログによる。報道時点では容疑の段階で、6人は容疑を認めていると伝えられた。その後の裁判の結果は、当サイトでは確認できていない。

グループは東京都内のマンションに事務所を置き、東京都知事の登録を受けないまま貸金業を営んでいたとされています。借りた人は山形にいても、貸していた側は東京にいたわけです。電話とネットバンキングだけで貸し借りが完結するため、借りる側からは、相手がどこにいる誰なのかが見えません。

相談から逮捕までには、半年あまりかかっています。4月中旬の相談を受けて、警察は都内の事務所などを捜索し、11月6日に6人を逮捕しました。逮捕から3週間後の11月27日には、無登録営業で起訴されると同時に、高金利の疑いで再逮捕されています。一人の相談が届いてから、グループ全体の数字が明らかになるまでに、これだけの時間と手順が要ったということです。裏を返せば、相談が無ければ、のべ5,000人への貸し付けは続いていたかもしれません。

報じられた数字を、計算し直す

11月27日の再逮捕で、報道はいくつもの数字を伝えました。一つずつ並べて、何を意味するかを確かめます。

報じられた数字 出どころ 当サイトの計算・読み方
2023年11月〜2024年2月、複数の客から計78回、上限を超える利息を受け取った。受け取った利息は約94万円で、法律の上限なら約3万5,000円 テレビユー山形 94万円÷3万5,000円で約27倍。78回を合わせると、平均して上限の約27倍の利息を取っていた計算
金利は最大で上限の約189倍 テレビユー山形 平均の約27倍に対し、最も重い取引はその7倍ほど。どの上限を基準にした倍率かは、報道からは読み取れない
1日あたりの利息が56%を超える貸し付けもあった NHK山形 1日56%を365日分に伸ばすと年20,440%。しもひがし法務事務所も「年利2万%超」と書いている
2024年2月までの1年間で、のべ約5,000人に計約5,000万円を貸し、約1億2,000万円の利益を上げていたとみられる NHK山形 1人あたりの貸付は平均約1万円。貸した額の2.4倍の利益

目を引くのは、1人あたりの貸付が平均で約1万円という小ささです。数万円に満たない額を、審査なしですぐに貸す。その小ささが、借りる人の警戒を解いたと考えられます。1万円なら返せるだろうと思って借り、利息だけを払い続けるうちに、貸した側には元本の何倍ものお金が集まっていきます。のべ5,000人から1年で1億2,000万円という数字は、一人ひとりの負担は小さく見えても、合わせればこれだけの額になることを示しています。

貸すことを商売にしている者は、年20%を超える利息を約束しただけで出資法の罰則の対象になり、年109.5%を超えれば罰はさらに重くなります。1日56%を年に直した約20,440%は、この重いほうの線と比べても、およそ187倍です。

「完済したのに催促が来る」は、なぜ起きるのか

相談した男性は、借りたお金を返し終えていました。それでも催促が続いたのは、ヤミ金にとって「完済」に意味がないからです。登録を受けていない業者との約束は、そもそも法律が守る契約ではありません。業者の側も、帳簿の上で返し終わったかどうかではなく、払い続けてくれる相手かどうかで客を見ています。一度払った人は、また払う人として名簿に残ります。男性の相談は、その名簿から抜けられないことへの訴えでもありました。そして、この一件の相談が、のべ5,000人に貸していたグループの摘発につながりました。

返せない客に、銀行口座をつくらせる

2024年12月、山形放送は、このグループが借金を完済できず利息も払えない客に対し、返済の代わりに銀行口座を開設して譲り渡すよう迫っていた疑いがあると報じました。受け取った口座は、グループ自身の犯行に使われていたとされます。

口座を譲り渡すことは、渡した人の側も罪に問われうる行為です。他人に渡すつもりで口座を開くことは、金融機関をだましたとして詐欺罪になる場合があり、実際に群馬県警が、譲渡目的で口座を開設した高崎市の会社員を詐欺の疑いで逮捕した例も報じられています。返せないことを責められ、代わりに差し出した口座のせいで、自分が逮捕される側に回る。ヤミ金に口座を求められたときは、それが借金の片づけではなく、別の犯罪への入り口だと考えてください。

口座を求めるやり方は、この事件に限りません。長崎県警が摘発したソフト闇金メビウスでも、返せない客に口座を売らせていたことが報じられています。 → ソフト闇金メビウスの摘発と口座売買

もう一つの事件:1日あたり最大10.4%

2025年2月にも、テレビユー山形は別の事件を伝えています。登録を受けずに貸金業を営んだとして2025年1月に逮捕されていた、東京都に住む韓国籍の男(38)、女(43)、男(40)の3人が、出資法違反の疑いで再逮捕されました。3人は、2023年から2024年にかけて、のべ7人から計44回、法律の上限を超える利率で利息を受け取った疑いが持たれています。男2人は容疑を認め、女は否認していると報じられました。

事務所 期間 貸し付けた額 返済として受け取った額 受け取った額÷貸した額
一つ目の事務所(男38・女43) 2023年9月〜2024年2月 約3,000万円 約1億1,500万円 約3.8倍
二つ目の事務所(男40) 同じ期間 約1,500万円 約2,300万円 約1.5倍

※テレビユー山形(2025年2月13日)の報道による。事務所と人の組み合わせは同報道の記載どおり。倍率は当サイトの計算。

警察が押収した通帳などから、金利は1日あたり約0.8%から約10.4%だったとされています。これを年に直すと、約292%から約3,796%です。1日10.4%なら、10万円を借りて10日たつと、利息だけで10万4,000円と、借りた額を上回ります(当サイトの計算・単利)。いちばん低い1日0.8%でも、業として貸す場合の年20%の線の14倍を超えます。一つ目の事務所では、約半年のあいだに、貸した額のおよそ3.8倍が戻ってきていた計算になります。

報道時点では容疑の段階で、女は容疑を否認していました。その後、裁判でどう判断されたかは、当サイトでは確かめられていません。ここで大事なのは、誰が有罪かではなく、報じられた数字の規模です。

二つの事件を並べると、正反対の形が見える

山形で報じられた二つの事件は、どちらも東京の無登録業者でしたが、貸し方の形はまるで違います。

比べる点 2024年の事件(6人) 2025年の事件(3人)
客の集め方 名簿をもとに、不特定多数の携帯電話へ「審査不要」「即日融資」のショートメッセージ 報道では触れられていない
規模 1年でのべ約5,000人、計約5,000万円 二つの事務所で、約半年に計約4,500万円
1人あたり 平均約1万円 報道では示されていない(再逮捕の対象はのべ7人・44回)
報じられた金利 1日56%を超える貸し付けも。受け取った利息は上限の最大約189倍 1日あたり約0.8%〜約10.4%
その後に報じられたこと 返せない客に口座を開設させ、犯行に使った疑い 一人が容疑を否認

※テレビユー山形・NHK山形・山形放送の報道による。「約4,500万円」は二つの事務所の貸付額(約3,000万円と約1,500万円)を当サイトで足したもの。

一つ目は、1万円前後の小さな額を、大勢に、すぐに貸す形です。二つ目は、半年で数千万円が動く、大きな額の貸し付けです。二つ目の事件の客がどんな人だったのかは報じられていませんが、少なくとも「少額だけの話」ではなかったことが分かります。ヤミ金は、数万円に困った人だけを相手にしているわけではありません。事業の資金繰りや、まとまった額の返済に追われている人にも、同じように近づいてきます。額が大きいほど、1日あたりの利率が低く見えても、戻ってくる額は大きくなります。一つ目の事務所では、貸した約3,000万円に対して、返済として約1億1,500万円が支払われていました。

形は違っても、二つの事件に共通していることがあります。どちらのグループも東京都に住む人たちで、貸金業の登録を受けていませんでした。そして、どちらも山形の報道機関が伝えた事件として記録に残っています。相手の貸し方が小口でも大口でも、確かめる順番は変わりません。登録番号を聞き、それが検索に出てくるかを見ることです。

山形に本店がある、正規の4社

ここからは、登録を受けて営業している側を見ます。金融庁の登録業者の検索で、本店所在地を山形県として調べた結果です。

会社名 登録番号 本店 日本貸金業協会
きらやかカード株式会社 東北財務局長(13)第00068号 山形市七日町 協会員
やまぎんカードサービス株式会社 東北財務局長(12)第00099号 山形市十日町 協会員
株式会社エンゼルエンタープライズ 山形県知事(6)第00773号 山形市大野目町 協会員
株式会社マエタリース 山形県知事(13)第00497号 酒田市上本町 協会員

※金融庁 登録業者の検索(2026年9月29日検索)。「協会員」は日本貸金業協会の協会員番号が表示されていることを示す。貸付の条件や対象は各社の案内で確かめること。

かっこ内の数字は、登録を更新してきた回数

登録番号のかっこ内の数字は、登録を受けた回数を表します。貸金業の登録は3年ごとに更新が必要なので、(13)なら、12回の更新を重ねて30年以上続いてきたことになります。4社のうち3社が(12)以上で、(6)のエンゼルエンタープライズも15年以上続いている計算です。本店の場所を見ると、4社のうち3社が山形市、残る1社が酒田市でした。庄内地方に本店を置く登録業者は、酒田市のマエタリース1社だけということになります。反対に、ヤミ金の案内に書かれた登録番号は、かっこ内の数字を含めて検索すれば、実在しないか、別の会社のものであることがすぐに分かります。

隣の県と比べる

県 本店がある登録業者 うち財務局長登録 うち知事登録
山形県 4社 2社 2社
秋田県 8社 3社 5社
宮城県 17社 3社 14社
福島県 7社 5社 2社
新潟県 9社 6社 3社

※金融庁 登録業者の検索(2026年9月29日、本店所在地で検索)。山形県と陸続きで接する4県を並べた。

山形県は、隣の4県のどこよりも少ない4社でした。県内に本店がある会社が少ないことは、山形の人が借りられる登録業者が4社しかない、という意味ではありません。大手の消費者金融や銀行系のカード会社は、東京などに本店を置いて全国で営業しています。見るべきなのは、相手がどこにいるかではなく、登録番号が検索で出てくるかどうかです。2024年の事件のグループは、東京都内に事務所を置きながら、東京都知事の登録を受けていませんでした。隣の宮城県で報じられた事件については、別の記事で整理しています。 → 宮城のヤミ金と登録業者

「審査不要」は、登録業者には書けない言葉

6人のグループが送っていたショートメッセージには、「審査不要」「即日融資」という言葉が使われていました。登録を受けた貸金業者は、貸金業法で、貸す前に借り手の返済能力を調べることが義務づけられています(13条)。調べずに貸すことは、登録業者には許されていません。「審査不要」と書いた時点で、その案内は登録業者の貸し方ではないと分かります。

もう一つの手がかりは、連絡の来かたです。報道によれば、グループは名簿を使って不特定多数の携帯電話にメッセージを送っていました。自分から申し込んだ覚えのない相手から、貸し付けの案内が届く。それ自体が、どこかで電話番号が名簿に載っているしるしです。返事をすれば、その番号は「反応がある番号」として扱われ、次の案内が届く理由にもなりかねません。

山形で借り先を確かめる手順

1.ショートメッセージで届いた貸し付けの案内には、返事をしない

申し込んだ覚えのない「審査不要」「即日融資」の案内は、名簿に載った番号へ一斉に送られたものと考えてください。リンクを開くことも、返信することも、相手に「この番号は生きている」と知らせることになります。

2.相手の会社名と登録番号を、かっこ内の数字まで含めて検索する

山形に本店がある会社なら、上の4社のどれかです。県外の会社でも、正規の業者なら金融庁の検索に出てきます。出てこない相手、登録番号を言わない相手とは、話を進めないでください。

3.振込先の口座名義が、会社名と合っているかを見る

返済のたびに振込先が変わる、名義が個人名、という場合は、他人から集めた口座が使われている疑いがあります。今回の事件でも、客につくらせた口座が犯行に使われていました。

4.口座をつくって渡すよう言われたら、その場で断る

返済の代わりに口座を求められても、渡せば自分が罪に問われるおそれがあります。借金の問題が、別の事件の当事者になる問題に変わります。

5.完済後の催促や、口座を求められたときは、一人で払わずに外へ相談する

酒田署に相談した男性の一件が、のべ5,000人に貸していたグループの摘発につながりました。やり取りの画面と振込の記録を残したうえで、次のページの順番で相談先を確かめてください。 → ソフト闇金より先に確かめること

まとめ:山形県に本店がある登録貸金業者は4社で、隣の秋田・宮城・福島・新潟のどの県よりも少ない数でした。一方、山形で報じられたヤミ金の事件は二つとも、東京都に住む人たちが登録を受けずに貸していたものです。2024年の事件では「審査不要」「即日融資」のショートメッセージで客を集め、のべ約5,000人に計約5,000万円を貸して約1億2,000万円の利益を上げたとみられ、1日56%を超える貸し付けや、返せない客に口座をつくらせる手口も報じられました。2025年の事件では、金利は1日あたり約0.8%から約10.4%、年に直して約292%から約3,796%とされています。始まりは、酒田署への一件の相談でした。相手がどこにいるかではなく、登録番号が検索に出てくるかで見分け、口座は渡さない。それが、山形で借り先を選ぶときのいちばん確かな手がかりです。

出典:テレビユー山形「無登録で貸金業を営み複数人に金を貸し付ける 韓国籍の男など6人逮捕」「「再び支払いの催促が来る」無登録で貸金業を営み金を貸し付け逮捕された6人」「上限の約189倍の金利を…」(2024年11月)、「衝撃の高金利…3000万円を借りて返済が1億1500万円!?」「1日あたり10%という金利で返済額爆増…」(2025年2月13日)/NHK山形放送局(2024年11月27日、しもひがし法務事務所「都内の韓国籍の男ら6人を闇金容疑で再逮捕 年利2万%超も」の引用による)/山形放送(2024年12月10日、しもひがし法務事務所「山形県警に逮捕の闇金 客に口座を開設させ不正利用か」の引用による)/しもひがし法務事務所「譲渡目的で口座を開設した疑いで45歳男を逮捕 群馬県警前橋東署」/金融庁 登録業者の検索(いずれも2026年9月29日確認)。