ヤミ金を使った人はなぜ借りたのか|金融庁2026年調査と日本貸金業協会2025年度調査で読む理由・きっかけ・「口コミを信じれば大丈夫」41.7%

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「ソフト闇金の口コミ」「絶対借りれるヤミ金」と検索している人へ。同じように検索して、実際にヤミ金融から借りた人たちが「なぜ借りたのか」「最初にどこで業者を知ったのか」を答えた調査が、2026年7月に金融庁から公表されています。いちばん多かった理由は「正規の金融機関から断られたため」で、きっかけは「インターネットの広告」でした。

この記事は、口コミの良し悪しを並べるのではなく、二つの公的な調査の数字をそのまま読みます。一つは金融庁が株式会社MSSに委託した「貸金業利用者に関する調査・研究」(2026年7月3日公表・回答5,000人)、もう一つは日本貸金業協会の「資金需要者等の借入意識や借入行動等に関する調査」2025年度版(回答は借入経験のある個人2,200人)です。どちらも2026年10月13日に原文のPDFで確かめました。

二つの調査は、誰に何を聞いたのか

金融庁「貸金業利用者に関する調査・研究」 日本貸金業協会 2025年度調査
実施 株式会社MSSに委託。報告書は2026年2月27日付、公表は2026年7月3日 日本貸金業協会。報告書は399ページ
調べた時期 2025年12月12日〜22日(事前の調査)、2026年1月9日〜14日(本調査) 2025年7月30日〜8月25日
方法 インターネット調査。18〜70代の男女 インターネット調査(スマートフォン等)。18歳以上
回答した人 本調査5,000人(3年以内に借入れをした人2,700人、それ以外2,300人)。事前の調査は10万人 貸金業者から借りたことのある個人2,200人(残高あり1,100人・なし1,100人)など。事前の調査は12万771人
ヤミ金について聞いたこと 無登録業者から借りた理由、最初に接触したきっかけ(3年分の比較) 利用・接触の経験、利用への意識、「使ってもいいと思うかもしれない」理由

金融庁「『貸金業利用者に関する調査・研究』調査結果の公表について」(令和8年7月3日)別添の報告書、日本貸金業協会「資金需要者等の借入意識や借入行動等に関する調査 2025年度」報告書 第1編。

どちらもネットのモニター会員に答えてもらう調査で、日本の人口全体を代表する数字ではありません。ヤミ金という聞きにくいテーマでは、答える人の思い違いも入りえます。この記事では、数字を「全国で何人」と言い換えず、「この調査に答えた人のうち何%」として読みます。

金融庁の調査には、事前の10万人の調査から推計した数字も一つ載っています。性別・年代・地域の人口構成に合わせて集めた4万9,731人のうち、最近3年以内に消費者金融やカードローンなどで借りた人は3,173人、6.38%でした。報告書はこれを「国内全体における『3年以内借入経験者』の比率と推計される」と書いています。

そもそも、何のために借りているのか

ヤミ金に行き着く前の段階として、金融庁の調査は、正規の消費者金融から最近3年以内に借りた997人に、借りた目的を聞いています(「当てはまる」と「やや当てはまる」の合計)。

消費者金融から借りた目的(n=997) 当てはまる計
生活費(光熱水費を含む)の支払いのため 53.7%
クレジットカード、ネットショッピングにおける後払い決済等の利用代金を支払うため 42.1%
住居費(家賃や住宅ローン)の支払いのため 35.9%
貸金業者への返済の支払いのため 33.7%
趣味や娯楽(レジャーや課金等)への支出のため 32.6%
ギャンブル等の元手のため 28.1%

金融庁委託調査 報告書 P-7「『消費者金融』の利用目的」(Q1-1-1・令和7年度)。

半数以上が生活費のために借りています。2位はカードや後払い決済の支払いで、4位には「貸金業者への返済の支払いのため」が33.7%で入っています。消費者金融で借りた人の3人に1人が、返済のために借りたことがあるということです。支払いが足りなくなった原因を聞いた別の質問でも、「生活費の支払いが増加した」39.4%と「後払い決済等の利用代金の支払いが増加した」39.3%がほぼ並んでいました。

返済のための借入れを重ねて限度額に達し、正規の業者に断られる。そこで次の表の「限度額に達して断られた」に行き着く、という順番が、二つの表をつなぐと見えてきます。

ヤミ金から借りた理由:いちばん多いのは「断られた」

金融庁の調査は、クレジットカードのショッピング枠の現金化、SNSなどを使った個人間融資、後払い(ツケ払い)現金化、先払い買取現金化、給与ファクタリング、偽装ファクタリング、無登録業者(ヤミ金融)のいずれかから借りたことがある人に、「正規の金融機関ではなく、無登録業者から借りた理由」を聞いています(複数回答)。

借りた理由 令和5年度
(n=832)
令和6年度
(n=708)
令和7年度
(n=765)
借入れが限度額に達して、正規の金融機関から断られたため 36.3% 26.8% 21.4%
限度額に達していなかったが、正規の金融機関から断られたため 27.2% 17.5% 20.7%
返済の延滞経験があり、正規の金融機関から借りられないため 17.5% 17.1% 18.8%
手続きが簡単であったため 20.0% 24.0% 18.6%
すぐに借りられると思ったため 21.3% 20.8% 16.2%
家族に知られたくなかったため 11.3% 11.9% 13.1%
親身に相談にのってくれるなど、対応が丁寧だったため 8.1% 10.5% 10.3%
正規の金融機関だと思ったため 5.8% 6.5% 6.3%
覚えていない・答えたくない 19.0% 21.6% 24.1%

金融庁委託調査 報告書 P-36「無登録業者(ヤミ金融)から借入れした理由」(Q25)。

上の三つは、どれも「正規の業者から借りられなかった」という理由です。限度額いっぱいで断られた、限度額には余裕があったのに断られた、延滞の記録があって借りられない。この三つだけで、令和7年度は延べ60%を超えます。報告書は、いちばん上の「限度額に達して断られた」が、令和5年度から14.9ポイント、前の年度から5.4ポイント減り、「近年減少傾向にある」と書いています。

一方で、「家族に知られたくなかった」は11.3%→11.9%→13.1%、「親身に相談にのってくれる」は8.1%→10.5%→10.3%と、少しずつ上がるか横ばいです。断られて仕方なく、という理由が減り、手続きや対応の印象で選ぶ人の割合が相対的に増えている、と読める並びです。

「親身に相談にのってくれる」という理由は、2010年1月に金融庁の会議で示された有識者の資料が、ソフトヤミ金の特徴として挙げていたことと重なります。その資料は、顧客の多くがヤミ金を「すぐに融資してくれる篤志家」と思っている、と書いていました。→ 金融庁の資料集と2010年の会議資料を読んだ記事

「正規の金融機関だと思った」が6%

見落とせないのは、毎年6%前後の人が「正規の金融機関だと思ったため」と答えていることです。相手がヤミ金だと知らずに借りた、ということになります。当サイトで調べてきた業者のサイトにも、実在する登録業者の名前や登録番号を借りて載せているものがありました。登録番号は、金融庁の検索で商号・住所・電話番号まで照らし合わせないと、本物かどうか分かりません。→ 登録業者の名前をかたる業者と本物を照らし合わせる方法

最初のきっかけ:ネット広告、DM、新聞・雑誌

同じ人たちに、最初にヤミ金から借りた時、その業者とどうやって接触したかを聞いた結果です(複数回答)。

最初に接触したきっかけ 令和5年度 令和6年度 令和7年度
インターネットの広告を見て問い合わせた 36.8% 33.5% 29.2%
自宅等にDMやちらしが届いた 21.0% 20.1% 21.7%
新聞・雑誌の広告を見て問い合わせた 22.2% 19.4% 20.7%
街中のちらし・貼り紙を見て問い合わせた 18.8% 18.1% 18.3%
友人・知人等から紹介された 17.1% 15.3% 16.9%
業者から直接電話がかかってきた・メールが届いた 11.9% 9.2% 11.1%
SNSの投稿を見た 8.3% 6.6% 5.2%
覚えていない・答えたくない 21.9% 24.4% 23.7%

金融庁委託調査 報告書 P-37「最初に無登録業者(ヤミ金融)と接触したきっかけ」(Q26)。

いちばん多いのはネット広告ですが、3年で36.8%から29.2%へ下がっています。その一方で、DMやちらし、新聞・雑誌の広告、街中の貼り紙といった紙の入口は、どれも20%前後でほとんど動いていません。ヤミ金の入口は、ネットだけではないということです。

「SNSの投稿を見た」は8.3%→6.6%→5.2%と、項目の中でいちばん少なくなっています。ただし、この調査では「SNSなどを使った個人間融資」から借りた人も同じ集計に入っていて、SNSで相手を探した人がこの項目を選んだのか、「インターネットの広告」を選んだのかは分かりません。SNSが入口として小さい、とまでは言い切れない数字です。

借りたことがある人は16.7%:日本貸金業協会の調査

日本貸金業協会の2025年度調査は、貸金業者から借りたことのある個人2,200人に、ヤミ金融などを「利用したことがあるか」「接触したことはあるか」を聞いています。

ヤミ金融について(n=2,200) 2024年度調査 2025年度調査
利用したことがある(現在も残高あり) 6.3% 10.0%
利用したことがある(現在は残高なし) 6.4% 6.7%
利用したことはない(接触したことはある) 6.9% 7.6%
利用したことはない(接触したこともない) 80.4% 75.7%

日本貸金業協会 2025年度調査 P218 図表41「ヤミ金融等非正規業者やSNSなどを使った個人間融資等の利用および接触の有無」(経年比較)。

「利用したことがある」を足すと、2025年度は16.7%、2024年度は12.7%です。報告書の本文は、ヤミ金融が16.7%で最も高く、先払い現金化商法とSNSや掲示板を通じた個人間融資がそれぞれ15.4%、クレジットカードショッピング枠の現金化業者が15.1%と続く、と書いています。

同じ調査で、それぞれが「どのようなものか知っている」と答えた人は、報告書の要約で、ヤミ金融が4.5割、クレジットカードショッピング枠の現金化業者が3割、SNSや掲示板を通じた個人間融資が2.5割でした。ヤミ金融がどういうものかを知っていると答えた人は半分に届かず、その一方で、使ったことがあると答えた人は6人に1人ほどいる、という組み合わせです。知っていることと、避けられることは別だと分かる数字です。

この16.7%は、貸金業者から借りた経験のある人だけを対象にし、18〜22歳の若い人を200人上乗せした集計なので、世の中の借りる人全体の割合ではありません。それでも、「いまも残高がある」が1年で6.3%から10.0%に増えているのは、同じ方法で取った数字どうしの比較です。

「口コミを見て信頼できれば問題ない」41.7%

同じ2,200人に、ヤミ金融などの利用についてどう思うかを聞いた結果は、65.9%が「いかなる状況であっても、絶対利用したくないと思う」、18.3%が「状況によっては、利用したいと思うかもしれない」、15.8%が「わからない」でした。

年代 状況によっては、利用したいと思うかもしれない 絶対利用したくない
20代以下(n=592) 35.1% 46.3%
30代(n=384) 21.4% 62.7%
40代(n=410) 13.4% 69.3%
50代(n=426) 7.3% 77.4%
60代以上(n=388) 7.0% 82.4%

日本貸金業協会 2025年度調査 P223 図表42「ヤミ金融等の利用に対する意識」。

20代以下では3人に1人以上が「状況によっては」と答え、60代以上の5倍です。そして、「利用したいと思うかもしれない」と答えた403人に、その理由を聞いた結果がこちらです。

利用したいと思うかもしれない理由(n=403) あてはまる
他に頼れるところがない 59.8%
動画配信サービス(YouTube等)などの情報を見て問題ないと思う 42.9%
SNS(X等)に投稿された口コミ情報をみて信頼できれば問題ないと思う 41.7%
あまり悪いイメージを抱いていない 41.2%
少額の利用なら問題ないと思う 38.5%
友人や知人からの紹介であれば問題ないと思う 36.5%

日本貸金業協会 2025年度調査 P226 図表43「ヤミ金融等を利用したいと思うかもしれない理由」。

「他に頼れるところがない」に次いで多いのは、動画やSNSの口コミを見て「問題ない」と判断する、という理由でした。「ソフト闇金 口コミ」と検索する人が探しているのは、まさにこの判断の材料です。

口コミが判断の材料にならない理由

当サイトでは、ソフト闇金のサイトに載っている「お客様の声」や体験談がどう作られているかを、公式サイトの記録から調べてきました。体験談を1件3万円の謝礼で募集したと自分で書いた業者、サイトを開く前の月から利用していたという声を載せた業者、「口コミに感謝します」というお知らせの7分前に同じ言葉の声を載せていた業者などです。→ ソフト闇金の口コミ・評判はどう作られるか

二つの調査の数字と並べると、口コミに頼る判断の弱さがはっきりします。

調査で分かること 口コミとの関係
借りた理由の6%前後は「正規の金融機関だと思った」 口コミが「安全」「正規」と書いていても、相手が登録業者かどうかは口コミからは分からない
理由の10%は「親身に相談にのってくれる」 対応の良さは、借りる前に見せる顔。返済が始まった後の扱いとは別
「いまも残高がある」が1年で6.3%→10.0% 「完済できた」という口コミが多くても、残高を抱えたままの人は口コミを書かない
使ってもいいと思う理由の41.7%が「SNSの口コミ」 業者側が口コミを用意する理由が、ここにある

口コミは、借りた後にうまくいった人、あるいは業者が用意した人の声です。調査の数字は、うまくいかなかった人も、答えたくないと言った人も含めた数字です。令和7年度の金融庁の調査では、借りた理由を「覚えていない・答えたくない」とした人が24.1%いました。4人に1人は、理由を言いたくない借り方をした、ということです。

正規の業者から借りている人の返済は

金融庁の調査には、正規・非正規を合わせて借りたことがある人の返済状況も載っています。令和7年度(n=2,817)は、84.8%が「すべて計画通りに返済している、又は完済した」、15.2%が「(1件でも)返済が滞っている」でした。令和6年度は88.5%、令和5年度は85.3%です。

借りた人の大半は、計画どおりに返しています。断られた理由が「限度額」なのか「延滞の記録」なのかで、次にできることは変わります。延滞が理由なら、その記録が信用情報からいつ消えるかを確かめるのが先です。限度額が理由なら、今の借入れを減らすことが先です。どちらの場合も、ヤミ金で借りることは、その問題を解決しません。

口コミを探す前に、手元でできる順番

1. 断られた理由を一つに絞る

限度額、延滞の記録、収入の書類、他社の件数。調査の上位三つは、どれも正規の業者に断られた理由です。自分がどれに当たるかで、次の一手が変わります。

2. 相手の登録番号を自分で照らす

「正規だと思った」で借りた人が毎年6%前後います。サイトや広告に書かれた番号を金融庁の検索に入れ、商号・住所・電話番号が一致するかを確かめます。

3. 紙の広告とDMも疑う

きっかけの2位から4位は、DM・ちらし、新聞・雑誌の広告、街中の貼り紙でした。郵便受けに入っていたから、新聞に載っていたから安全、とは言えません。

4. 口コミの日付と出どころを見る

投稿の日付、誰が書いたか、謝礼の有無。出どころが確かめられない口コミは、判断から外します。

まとめ

  • 金融庁の2026年公表の調査では、ヤミ金などから借りた理由の上位は「限度額で断られた」21.4%、「限度額前でも断られた」20.7%、「延滞経験で借りられない」18.8%(令和7年度・n=765)
  • 「親身に相談にのってくれる」10.3%、「正規の金融機関だと思った」6.3%、「覚えていない・答えたくない」24.1%
  • 最初のきっかけはネット広告29.2%、DM・ちらし21.7%、新聞・雑誌の広告20.7%。ネット広告は3年で36.8%から下がり、紙の入口は横ばい
  • 日本貸金業協会の2025年度調査では、借入経験者2,200人のうちヤミ金融を「利用したことがある」が16.7%(前年12.7%)、「いまも残高あり」は6.3%→10.0%
  • 「状況によっては利用したいと思うかもしれない」は20代以下で35.1%。理由の41.7%が「SNSの口コミを見て信頼できれば問題ない」
  • 口コミは、うまくいった人と業者が用意した人の声。調査の数字には、答えたくない人も含まれる

借りる前に確かめる順番と相談先は → ソフト闇金で借りる前に確かめること

確かめた資料:金融庁「『貸金業利用者に関する調査・研究』調査結果の公表について」(令和8年7月3日)と別添の報告書(株式会社MSS、2026年2月27日)、日本貸金業協会「資金需要者等の借入意識や借入行動等に関する調査 2025年度」報告書。いずれも2026年10月13日閲覧。