ブラックリストとは?信用情報機関の仕組みをわかりやすく解説

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「ブラックリスト」という名前のリストは、実際にはどこにもありません。信用情報機関のCICは、よくある質問の中で「当社が保有する信用情報に、ブラックリストという名のリストはありません」と答えています。いわゆるブラックの正体は、CIC・JICC・KSCの三つの信用情報機関に登録された、延滞や破産などの記録です。そして、その記録がいつ消えるかは、機関ごと、情報の種類ごとに決まっていて、ここ数年のあいだにも変わっています。この記事では、三つの機関の公式ページの記載だけをもとに、「いつ消えるか」を起算点から数え直します。

この記事の以前の版について

以前の版には、地名と年齢を付けた「体験談」を5件載せていましたが、実在の人の証言ではありませんでした。また、保有期間の表に「KSCの自己破産・個人再生は10年」「JICCの長期延滞は完済から1年」と書いていましたが、いずれも今の公式の記載とは異なっていました。体験談はすべて削除し、表は2026年9月28日に各機関の公式ページで確かめた内容に直しています。

三つの機関が、今どう決めているか

まず、三つの機関の公式ページに書かれている登録期間を、情報の種類ごとに並べます。

情報の種類 CIC JICC KSC(全国銀行個人信用情報センター)
申し込み・照会の記録 照会日から6か月 照会日から6か月以内 利用日から、会員への提供は6か月、本人開示は1年
契約内容と支払状況 契約期間中と、契約終了後5年以内 契約継続中と、完済日から5年を超えない期間 契約期間中と、契約終了日(完済されていなければ完済日)から5年を超えない期間
延滞 支払状況の一部として、上の期間(異動の有無・異動発生日・延滞解消日などが記録される) 延滞情報は延滞が続いている間。延滞が解消した事実は、その発生日から1年を超えない期間 返済状況の一部として、上の期間
債務整理・保証履行・強制解約・破産申立など 支払状況の一部として、上の期間 その事実の発生日から5年を超えない期間 返済状況の一部として、上の期間
官報に載った破産・民事再生 2009年4月1日から収集・保有していない (上の「破産申立」などに含まれる) その決定日から7年を超えない期間

※CIC「CICが保有する信用情報」・よくある質問「自己破産の登録は何年間ですか?」、JICC「信用情報の内容と登録期間」、全国銀行協会「センターの概要」の記載を要約した(2026年9月28日確認)。

表で押さえておきたいのは、どの機関も「5年」を基本にしていて、例外として短いもの(照会の6か月、JICCの延滞解消の1年)と、長いもの(KSCの官報情報の7年)がある、という形です。そして、5年をどこから数えるかは、機関と情報によって違います。「5年たったら消える」の「5年」は、借りた日からではなく、完済した日や、事実が起きた日から数えます。

以前の版の表と、公式の記載の違い

以前の版の保有期間の表は、次の点で今の公式の記載と食い違っていました。

以前の版の記載 公式の記載(2026年9月28日確認)
KSCの自己破産は、免責確定から10年 KSCの官報情報(破産・民事再生手続開始決定)は、決定日から7年を超えない期間。2022年11月4日に10年から7年に短縮されている
KSCの個人再生は、手続開始から10年 同じく官報情報として、決定日から7年を超えない期間
JICCの長期延滞は、完済から1年 1年なのは「延滞が解消した事実」の情報。契約内容と返済状況そのものは、完済日から5年を超えない期間
CICの自己破産は、免責確定から5年 CICは官報情報を2009年4月1日から保有していない。破産の場合は、免責許可決定が確認できた会員会社のコメントが登録された報告日が起算点で、そこから5年

いちばん大きな違いは、KSCの「10年」です。全国銀行協会は2022年11月4日付の告知で、官報情報の登録期間を10年から7年に短くしたと発表しています。ネット上には、この変更の前に書かれた「銀行系は10年」という説明が今も多く残っています。以前の版もその一つでした。いつ消えるかを調べるときは、書かれた時期の新しさまで確かめる必要があります。

起算点から、実際の日付で数えてみる

「何年」だけでは、自分の記録がいつ消えるのかは分かりません。起算点に日付を入れて数えます。以下は、公式の登録期間を当てはめた当サイトの計算例です。

ケース 起算点 CIC JICC KSC
延滞の後、2024年3月に完済したカードローン 完済日(契約終了日) 2029年3月ごろまで 契約の記録は2029年3月ごろまで。延滞解消の事実は、その発生日から1年 2029年3月ごろまで
2023年10月に破産手続開始決定、2024年2月に免責許可決定 機関ごとに異なる 免責が確認された報告日から5年(2024年春以降の報告なら2029年春以降) 破産申立などの事実の発生日から5年 官報情報は決定日から7年(2030年10月ごろまで)
2026年9月に3社へ続けて申し込んだ 照会日 2027年3月ごろまで 2027年3月ごろまで 会員への提供は2027年3月ごろまで

※日付は起算点に期間を足しただけの目安。実際の登録日や報告日は、各機関への開示で確かめる必要がある。以前のKSCの10年の決まりのままなら、2つ目のケースの官報情報は2033年10月ごろまで残る計算だった。

2つ目のケースを見ると、同じ破産でも、機関によって消える時期が2年近くずれることが分かります。CICとJICCでは5年、KSCでは7年。銀行のローンを考えている人にとっては、KSCの7年が一番遅い区切りになります。反対に、消費者金融やクレジットカードの審査で主に見られる記録は、CICとJICCの5年で先に消えていきます。

「完済しないと数え始まらない」

三つの機関とも、契約と返済の記録は「契約期間中」も登録されています。つまり、延滞したまま返し終わっていない借金があると、その記録は契約が続いている限り消えません。KSCは、完済されていない場合は完済日から数えると明記しています。返していない借金の記録は、何年待っても消える側に回らないということです。「5年待てば消える」は、完済した後の話です。放置した年数は、消えるまでの年数には数えられません。

ここで気をつけたいのが、昔の借金を放置したまま「そろそろ消えたはず」と考えて新しく申し込むことです。記録が残っていれば審査は通りませんし、その申し込み自体が照会の記録として6か月残ります。

よくある思い込みを、機関の答えで確かめる

「ブラック」について出回っている説明には、機関の公式の答えと食い違うものが少なくありません。CICとJICCのよくある質問から、答えをそのまま拾います。

よくある思い込み 機関の答え
支払いが遅れると「ブラックリスト」に載る CIC:ブラックリストという名のリストはない。保有しているのは客観的な取引事実で、支払いが遅れた場合にその内容が事実として反映される
弁護士や司法書士に債務整理を頼んだら、その事実が記録される CIC:特定調停や民事再生の申請、債務整理を依頼した事実に関するコメントは登録されない。登録されるのは、申込内容・契約内容・支払状況などの客観的な事実に限る
過払い金を請求すると、そのことが記録に残る CIC:過払い金請求をしたというコメントの登録はない
電気やガスの料金を滞納すると記録される CIC:クレジットカード決済ではなく、銀行口座からの引き落としで直接払っている場合は、信用情報機関への登録はない
完済すれば、翌日にはきれいになる CIC:クレジットの情報の登録や更新は原則として月に一度で、会社ごとに締め日が違う。貸金業法に基づく情報は、新規契約や内容変更から最大で翌日まで
「5年以内」なら、4年で消えることもある JICC:通常は契約終了から5年間登録されている。加盟会社の退会などで5年を経過する前に削除されることもあるため「以内」と表記している

※CICよくある質問(「支払いが遅れると、ブラックリストとしてCICに登録されるのですか?」「裁判所へ特定調停や民事再生を申請した場合…」「過払い金請求をしたのですが…」「公共料金の延滞も登録されますか?」「情報の登録や更新のタイミングはいつですか?」)、JICCよくある質問(「登録期間で「契約終了後5年以内」の「以内」とはどういう意味ですか?」)より要約。

二つ目の答えは、誤解されやすいところです。CICに記録されるのは、あくまで取引の事実です。債務整理を頼んだこと自体はコメントとして残りませんが、その結果として支払いが止まったり、契約の内容が変わったりすれば、それは支払状況の事実として記録に反映されます。一方、JICCは表で見たとおり、債務整理を独立した情報として、その発生日から5年登録しています。同じ「債務整理」でも、どう記録されるかは機関によって違います。三つの機関すべてに開示を申し込む意味は、ここにもあります。

最後の二つの答えは、消える時期を数えるときの注意点です。完済しても、それが記録に反映されるまでには時間差があります。また、「5年以内」は「最長で5年」という意味で、通常は5年いっぱい残ると考えておくのが安全です。「そろそろ消えたはず」と自分で決めずに、開示の結果で確かめるのが確実です。

終わった契約の記録を、止めてもらうことはできるか

CICのよくある質問には、「契約が終了していれば、その信用情報をクレジット会社などへ提供する必要はないのではないか」という問いもあります。CICの答えは、審査では他の会社から登録された信用情報も参考にしており、すでに終わった契約のものでも、適正な与信のためには重要な情報になる、というものでした。登録期間のあいだは、完済した契約の記録も審査で見られます。期間が過ぎて自動的に消えるのを待つのが、公式に示された道筋です。

一番早く消えるのは「申し込みの記録」

三つの機関の中で最も短いのは、申し込みや照会の記録で、CICとJICCは照会日から6か月、KSCは会員への提供が6か月です。延滞のような問題が無くても、短い期間に何社も申し込むと、その記録が並びます。いわゆる「申込ブラック」と呼ばれる状態です。

申し込んだ時期 CIC・JICCで照会の記録が消える目安
2026年9月1日に1社目 2027年3月1日ごろ
2026年9月10日に2社目 2027年3月10日ごろ
2026年9月20日に3社目 2027年3月20日ごろ

※照会日から6か月を当てはめた当サイトの計算例。

3社に続けて申し込んだ記録がすべて消えるのは、最後の申し込みから6か月後です。審査に落ちたからといって次々に申し込むと、そのたびに区切りが後ろへ延びていきます。審査に落ちた理由が延滞などの記録ではなく申し込みの多さなら、6か月待つことが一番確実な回復の方法になります。

自分の記録は、開示で確かめる

どの記録がいつまで残っているかは、推測ではなく、各機関への開示請求で確かめられます。CICはインターネットでの開示を案内しており、JICCやKSCも本人開示の手続きを設けています。三つの機関は加盟している会社が違うため、一つだけ見ても全体は分かりません。

破産から年数がたち、もう一度正規の業者に申し込もうとしている人は、開示の結果を見たあとに何をどの順で確かめるかも知っておくと迷いません。3機関の開示手数料(インターネットなら合わせて2,000円)と、各社が公式に書いている「貸さない条件」は、別の記事で順番にまとめました。→ 自己破産のあと、申し込む前の5つの順番

機関 主な加盟会社(一般的な傾向) 特徴的な点
CIC クレジットカード会社・信販会社など 官報情報を持たない。「ブラックリストという名のリストはない」と明言
JICC 消費者金融など 延滞解消の事実は1年、債務整理などは発生日から5年と、情報ごとに期間を分けている
KSC 銀行・信用金庫など 官報に載った破産・民事再生を7年保有。照会記録は本人開示なら1年分見られる

※主な加盟会社の区分は一般的な傾向で、実際には重なって加盟している会社もある。

開示の結果に「異動」と書かれていれば、延滞・保証履行・破産のどれかが記録されているということです。CICの公式ページは、支払状況の情報として「異動(延滞・保証履行・破産)の有無、異動発生日、延滞解消日」などを保有すると説明しています。延滞解消日が入っていれば、延滞は解消したことが記録されています。

本人が自分から残せる記録もある

信用情報には、会社が登録するものだけでなく、本人が申し出て登録するものもあります。KSCとCICの公式ページから、その種類と期間を並べます。

情報 内容 登録期間
貸付自粛情報(KSC) 浪費の習癖や、ギャンブル等依存症で本人や家族の生活に支障が出るおそれがあるとして、本人が自分を自粛対象者にすると申告した内容 申告日から5年を超えない期間
協会依頼情報(CIC) 日本貸金業協会または全国銀行協会の貸付自粛制度を通じて、本人がCICへの登録を依頼した内容 登録日から5年以内(削除はCICでは受け付けず、日本貸金業協会に問い合わせる)
本人申告情報(KSC) 本人確認の書類をなくした・盗まれた、同姓同名の別人と間違えられるおそれがある、などの本人からの申告 登録日から5年を超えない期間

※全国銀行協会「センターの概要」、CIC「CICが保有する信用情報」より(2026年9月28日確認)。

貸付自粛は、借りすぎてしまう自分を止めるために、あえて「借りられない記録」を自分で付ける仕組みです。登録すると、加盟している会社はその情報を審査で見ることができます。「ブラックの記録」は避けたいものとして語られがちですが、自分の身を守るために自分で付ける記録もあるということです。また、身分証をなくしたときの本人申告は、誰かが自分の名前で勝手に借りるのを防ぐ手がかりになります。身分証の画像を送ってしまうなど、悪用が心配な出来事があったときは、どんな申告ができるかを各機関に確かめる価値があります。

もう一つ、CICは電話帳に載った氏名・電話番号・住所を「電話帳掲載情報」として、最後に記録した年月から2.5年以内のあいだ保有しています。この情報は、問い合わせれば第三者への提供を止めることができると、CICの公式ページに書かれています。延滞などの記録とは違い、本人の申し出で扱いを変えられる情報もある、ということです。

「記録が消えるまで借りられない」時期に近づいてくるもの

信用情報に記録が残っている時期は、正規の業者の審査に通りにくくなります。その時期を狙って、「ブラックでもOK」「審査なし」「信用情報を見ない」とうたう相手が近づいてきます。信用情報機関に加盟している登録業者は、申し込みがあれば信用情報を照会するのが決まりです。「信用情報を見ない」と言う相手は、照会をしない、つまり登録業者の仕組みの外にいる相手です。

記録が消えるのを待つ数年のあいだに、登録の無い業者から借りれば、その借金は信用情報には載りません。しかしそれは、記録が付かないという意味で「安全」なのではなく、法律の上限を超えた利息と、職場や家族への取り立てが、記録の外で続くということです。当サイトで計算した例では、ソフト闇金を名乗る業者の条件は、年に直して数千%に達していました。

今日できること

1.三つの機関すべてに開示を申し込み、「異動」と日付を確かめる

起算点になる完済日や発生日、報告日は、開示の結果で分かります。そこに期間を足せば、消える時期の目安が出ます。

2.返していない借金があるなら、まずそれを終わらせる

契約が続いている限り、記録は消える側に回りません。「5年」の時計は、完済した日から動き始めます。

3.審査に落ちたら、続けて申し込まない

照会の記録は6か月残ります。続けて申し込むほど、区切りは後ろへ延びます。

4.古い「10年」の情報をうのみにしない

KSCの官報情報は2022年11月に7年になりました。調べた記事がいつ書かれたものかを確かめてください。

5.待つ間に「信用情報を見ない」相手に近づかない

記録が消える前に借り先を探してしまったとき、何を先に確かめるべきかは、次のページにまとめています。 → ソフト闇金より先に確かめること

まとめ:「ブラックリスト」という名のリストは無く、その正体はCIC・JICC・KSCに登録された延滞や破産などの記録です。三つの機関とも契約と返済の記録は完済や契約終了から5年が基本で、申し込みの記録は6か月、JICCの延滞解消の事実は1年、KSCの官報に載った破産・民事再生は決定日から7年です。KSCの官報情報は2022年11月4日に10年から7年に短くなり、CICは2009年から官報情報を持っていません。返していない借金の記録は消えず、「5年」は完済した日から数えます。自分の記録は開示で確かめ、日付を入れて数える。それが「いつ消えるか」に答える唯一の方法です。

出典:株式会社シー・アイ・シー「CICが保有する信用情報」・よくある質問(「自己破産の登録は何年間ですか?」「支払いが遅れると、ブラックリストとしてCICに登録されるのですか?」ほか)/株式会社日本信用情報機構「信用情報の内容と登録期間」・よくある質問/一般社団法人全国銀行協会「センターの概要」・「一部情報の登録終了および登録期間の短縮について」(2022年11月4日)(いずれも2026年9月28日確認)。