「月1返済」をうたうソフト闇金の料金表を、当サイトがこれまで公式サイトで確かめてきた業者の分だけ並べてみると、月1返済のプランは大きく二つに分かれていました。「1か月で1割」と低く見せる代わりに10万円以上からしか借りられない型と、少額から借りられる代わりに「1か月で4割」や高い手数料がつく型です。給料日までの数万円を月1回の返済で借りたい、という人が思い描くプランは、どちらの型にもほとんどありません。この記事では、各社の月1返済の条件を同じ物差しで計算し直し、「月一」という言葉の中身を確かめます。
この記事の旧版は、月1返済の一般的な仕組みと、相談窓口や正規の借り方の説明を並べる形でした。今回はそれらを削り、当サイトが各業者の公式サイトで確認した料金表(確認日は各記事に記載)だけを材料に書き直しています。業者ごとの詳しい中身は、それぞれの記事にリンクしています。
各社の「月1返済」プランを並べる
当サイトの記事で、公式サイトに書かれた条件を確認した業者の中から、1か月(約30日)で返すプランを持つものを並べました。
| 業者(確認した記事) | 月1返済の条件(公式の表示) | 手数料 | 借りられる額 |
|---|---|---|---|
| アスラ | 月1返済プラン:1か月で10% | 0円 | 初回10万〜30万円 |
| レイワ | マンスリーライフプラン:1か月で10% | 記載なし | 10万〜30万円 |
| ソラナ | 給料日に返済:1か月で1割 | 記載なし | 初回15万円まで |
| めるる | トップページ:1か月1割(別ページでは内容が食い違う) | 記載なし | 初回15万円まで |
| ファブリック | 1か月プラン:40%(初回は20%) | 初回1万円・2回目以降5,000円 | 初回10万円まで |
| レイス | 1か月で4割(利息と手数料を先に差し引いて振込) | 一律3,000円 | 少額から |
| ガッツ | 初回は5日〜1か月で一律15% | 4,000円 | 少額から |
| 安心キャッシング | 返済周期は最大30日。利率は審査のうえ月1割〜5割 | あり(表記に食い違い) | 記載どおりでない部分あり |
※各業者の公式サイトの表示を、当サイトの個別記事で確認した時点のもの。条件は変わることがある。
一見すると「1か月で1割」の業者は良心的に見えます。しかし、表の右端の列を見てください。1か月1割の業者は、どれも「10万円から」や「15万円まで」といった、まとまった額の貸付を前提にしています。一方、1万円や3万円といった少額から借りられる業者は、1か月で4割、あるいは高い手数料を組み合わせていました。
型1:「1か月で1割」は、10万円から
アスラの料金表では、月1返済プランは初回10万〜30万円、レイワのマンスリーライフプランも10万〜30万円でした。1か月1割は、年に直すと120%です。正規の貸金業者の上限(年15〜20%)の6倍以上ですが、ソフト闇金の中では目立って低い数字として掲げられています。
ただし、この低い数字が使えるのは、10万円以上を借りる人だけです。給料日までの2万円や3万円を「月1回の返済で」借りたい人は、このプランをそもそも選べません。アスラの場合、同じ料金表の中に「3日〜14日で1日2%」という短期プランがあり、少額を借りる人はこちらに回ることになります。当サイトの計算では、アスラの料金表は「早く返すほど高くなる」形になっていました。 → ソフト闇金アスラの料金表を並べ直す
ソラナやレイワのように、手数料について何も書いていない業者もあります。書いていないことは、取らないことの約束ではありません。月1割の業者で借りる話が進んだら、手元にいくら振り込まれるのかを、申込みの前に必ず確かめてください。1割の利息に加えて何かが差し引かれていれば、それだけで年率は大きく上がります。
10万円を月1割で借りて、利息だけ払い続けると
もう一つの落とし穴は、「利息だけ払って返済日を延ばす」使い方です。月1返済をうたう業者の中には、利息だけを払えば次の月まで延長できる、と案内するところがあります。10万円を月1割で借り、元金を返せないまま利息だけを払い続けた場合を計算します。
| 経過 | その月に払う利息 | 払った利息の合計 | 残っている元金 |
|---|---|---|---|
| 1か月後 | 10,000円 | 10,000円 | 100,000円 |
| 3か月後 | 10,000円 | 30,000円 | 100,000円 |
| 6か月後 | 10,000円 | 60,000円 | 100,000円 |
| 10か月後 | 10,000円 | 100,000円 | 100,000円 |
| 12か月後 | 10,000円 | 120,000円 | 100,000円 |
毎月1万円なら払える、と感じる人は多いはずです。しかし10か月で払った利息は借りた額と同じ10万円になり、それでも元金の10万円は1円も減っていません。月1回の支払いが軽く見えるのは、元金を返していないからです。1年続ければ、利息だけで12万円を払い、なお10万円の借金が残ります。払い終わりの日が、いつまでも来ない形です。
型2:少額から借りられる代わりに「1か月4割」
少額から借りられる業者の月1返済は、条件がまったく違います。レイスの料金表は「1か月で4割」、手数料は一律3,000円で、利息と手数料を先に差し引いた残りが振り込まれる方式でした。ファブリックの1か月プランは通常40%(初回は20%)で、手数料は初回1万円、2回目以降5,000円です。
どちらも、借りる額に対して手元に届く額を計算し直すと、負担の重さが見えてきます。
| 業者・条件 | 借りる額 | 手元に届く額 | 1か月後に払う額 | 届いた額に対する倍率 |
|---|---|---|---|---|
| レイス(1か月4割・手数料3,000円を先引き) | 10,000円 | 3,000円 | 10,000円 | 約3.3倍 |
| レイス(同) | 30,000円 | 15,000円 | 30,000円 | 2.0倍 |
| ファブリック(初回:1か月20%・手数料1万円) | 10,000円 | ― | 利息2,000円+手数料10,000円 | 手数料だけで元金と同額 |
※レイスの振込額は公式「利息」ページの表の値。ファブリックは公式の融資プランの表による。いずれも当サイトの個別記事で確認。
レイスで1万円を1か月借りると、振り込まれるのは3,000円で、1か月後に1万円を返します。受け取った額の3倍以上を返す計算です。ファブリックでは、1か月プランで1万円を借りると、初回の手数料だけで1万円、元金と同じ額になります。「月1回の返済でいい」という条件そのものに、少額の人ほど重い代金がついているということです。 → レイスの料金表を振込額から読み直す
レイスの料金表では、10万円を1か月で借りても振込は5万7,000円で、返すのは10万円でした。借りる額が大きくなると倍率は下がりますが、それでも受け取った額の1.75倍を1か月後に返す計算です。
ファブリックは「初めて割で金利が半分」を看板にしていました。1週間20%が10%に、1か月40%が20%になる、というものです。ところが手数料は初回に割り引かれず、1週間プランで6,000円、1か月プランで1万円です。1万円を1週間借りると、利息は1,000円、手数料は6,000円で、負担の86%は割引の対象外の手数料でした。「金利が半分」という言葉は、負担の大部分を占める手数料には当てはまっていなかったということです。 → ファブリックの「初めて割」を分解する
2018年のアバロンも同じ形だった
この型は新しいものではありません。2018年に摘発されたソフト闇金アバロンも、当時の紹介サイトの記録によれば「10日で1割・20日で2割・30日で4割」を掲げ、別に手数料5,000円を取っていました。30日を選んで2万円を借りると、手元に届くのは7,000円で、返すのは2万円です。30日の周期は「返済が楽になる選択肢」として見せられていましたが、手元に届く額で比べると、三つの周期のうちでいちばん割に合わない選択でした。 → ソフト闇金アバロンの逮捕と、報道の数字の中身
型3:期間を選べても、負担は同じ
もう一つ、期間によって率が変わらない型もあります。ガッツの初回条件は「5日間〜1か月間で金利15%、手数料4,000円」でした。3万円を借りると、利息4,500円と手数料4,000円が先に引かれ、受け取るのは2万1,500円、返すのは3万円です。
この条件で5日で返しても1か月で返しても、払う額は同じ8,500円です。年率に直すと、5日なら約2,884%、1か月なら約481%になります。月1回の返済を選ぶと年率は下がって見えますが、払う金額は1円も変わりません。「月1返済だからお得」とは言えない例です。 → ソフト闇金ガッツの条件を計算する
1か月より長いプランは、どうなっているか
月1返済をうたう業者の中には、2か月、ボーナス一括、分割といった、さらに長いプランを並べるところもあります。ソラナのトップページには四つのプランがありました。給料日に返す1か月1割、2か月後に返す1割〜2割、ボーナス一括の2割〜3割(最長6か月)、月々の分割の2割〜3割(最長36回)です。レイワのプランページにも、1日2%のスマートフリー、月10%のマンスリーライフ、1〜3か月で20〜40%の分割バランスの三つが並んでいました。
これらを年に直すと、ソラナの2か月プランは約60〜120%、ボーナス一括は最長の6か月で考えると約40〜60%になります。レイワの分割バランスは、いちばん軽い組み合わせで約81%、いちばん重い組み合わせで約480%でした。期間が長いプランほど年率は下がって見えます。しかし、どれも正規の上限の年20%の2倍から20倍以上で、長く借りるほど払う利息の総額は大きくなります。年率が下がることと、払う額が減ることは違います。
また、長いプランほど、借りられる額の下限や上限が大きく設定されていました。ソラナのボーナス一括と分割は初回20万円まで、レイワの分割バランスは20万〜60万円です。少額を借りたい人には、やはり当てはまりません。 → レイワの3プランを年率に直す
なぜ業者は「月1返済」を看板にするのか
ここまでの数字から、業者にとっての「月1返済」の意味が見えてきます。10万円を月1割で貸し、客が利息だけを払って更新を続ければ、業者は毎月1万円を受け取り続けます。1年で12万円、元金はそのまま手元の貸付として残ります。客にとっては「毎月1万円なら払える」額でも、業者にとっては、貸したお金が1年で1.2倍になって戻ってくる仕組みです。
2020年に長崎県警が摘発したソフト闇金メビウスは、延べ約2万人に約9億円を貸し、約5億円の利益を得ていたと報じられました。少額の貸付を、長く、何度も繰り返させることで、貸したお金の半分以上を利益にしていた計算です。月1返済は、客にとっては「返しやすさ」ですが、業者にとっては関係を長く続けさせ、利息を途切れさせないための仕組みでもあります。 → ソフト闇金メビウスの摘発と、報道の数字
「月一」で検索する人の多くは、給料日が月に1回だから、返済も月に1回にしたい、と考えているはずです。その考え自体はもっともです。ただ、ソフト闇金の月1返済は、給料日に元金を返し切れない人ほど、更新を重ねて長く払い続ける形になりやすい、という点を知っておく必要があります。
「月1返済・分割OK」と書いてあっても
看板の言葉と、料金のページの中身が食い違う業者もあります。GOTOキャッシングは、ブログの題に「月一返済・分割OK」と書き、トップページでは「一週間〜月一回の支払いや2ヶ月サイクルなど様々なご返済プラン」とうたっていました。ところが同じサイトの「利息について」のページには、分割返済などは無く、完済か更新のみ、という趣旨の説明がありました。
「更新」とは、利息だけを払って返済日を先に延ばすことです。つまり、分割で少しずつ元金を減らしていく道は用意されておらず、元金を一度に返すか、利息を払って延ばすかの二択だったということです。上の「10万円を月1割で利息だけ払い続ける」表と同じ形に、自然と入っていく仕組みです。 → GOTOキャッシングの公式サイトの二つの顔
安心キャッシングも、トップページでは「返済周期は最大30日」「初回から月払いでの借り入れが可能」と掲げる一方、利息のページでは、利率は審査のうえで決める変動型で、月1割から5割まで幅があるとしていました。申し込むまで、自分の月の利率は分かりません。しかも同じページの料金表は、手数料欄に「2,000円」と書きながら、振込額は5,000円を差し引いた数字になっていました。「月1返済」という言葉だけでは、1か月でいくら払うのかは決まらないということです。
同じ10万円を、年18%で12回に分けて返すと
比べるための物差しとして、正規の貸金業者の上限に近い年18%で、10万円を12回の元利均等返済で返す場合を計算します。毎月の返済額は約9,168円、12回の合計は約11万16円です。
| 借り方 | 毎月の支払い | 1年で払う合計 | 1年後に残る借金 |
|---|---|---|---|
| 年18%・12回で元利均等返済 | 約9,168円 | 約110,016円 | 0円 |
| 月1割で利息だけ払って更新(ソフト闇金の型) | 10,000円 | 120,000円 | 100,000円 |
※年18%の計算は月利1.5%・12回の元利均等返済として当サイトが計算。
毎月の支払い額は、ほとんど変わりません。どちらも月に1万円前後です。違うのは、1年後に残るものです。正規の分割返済は、毎月の支払いの中に元金が含まれているので、12回払い終われば借金は0円になります。ソフト闇金の月1割の更新は、毎月の支払いがすべて利息なので、1年払っても10万円がそのまま残ります。「月に1万円払う」という同じ行動が、片方では借金を消し、片方では借金を保つだけになります。
毎月1回の返済で、少しずつ元金を減らしていくことは、正規の貸金業者でも当たり前に行われている返し方です。月1回で返したいという希望そのものは、無登録の業者に頼らなくても満たせます。
めるるの「月1返済」は、ページごとに条件が違う
月1返済をうたう業者の料金表は、同じサイトの中でさえ一致しないことがあります。めるるは、トップページと「利息と周期」のページの両方に返済プランを載せていましたが、当サイトが確かめたところ、二つはプランの数も、限度額も、利息も一致しませんでした。トップページの月1返済は「初回15万円まで・1か月1割」、一方の「利息と周期」のページのプランAは「初回20万円・融資額の1割」でした。どちらの条件で貸すのかは、申し込んでみないと分かりません。 → めるるの料金表の食い違い
「月1返済の優良店」は、誰が言っているのか
「ソフト闇金 月1返済 優良」と検索すると、「月1返済の優良店」という言葉が並びます。当サイトが調べた範囲では、この言葉を使っているのは業者自身でした。めるるはサイトで自らを「月1返済の優良店」と名乗り、レイワは「おすすめの理由」の一つ目に「月1返済可能な優良店」を挙げていました。
業者が自分で「優良」と書くのは自由です。しかし、貸金業の登録を受けていない以上、どの業者も上限金利を守る義務の外にいます。「優良」は業者の自己紹介で、第三者の評価ではありません。めるるとソラナのように、別々の業者を名乗りながら返済プランの説明がほとんど同じ文言のサイトもありました。 → ソラナとめるるの同じ文言
月1返済を探している人が、今日確かめること
1.「1か月1割」の下限額を確かめる
低い率が使えるのは、10万円以上など大きな額だけのことがあります。自分が借りたい額で、どのプランが当てはまるのかを先に確かめます。
2.手元に届く額と、返す額の二つだけを聞く
率や周期の説明より、「いくら振り込まれて、いつ、いくら返すのか」を聞いてください。返す額を届く額で割れば、負担の重さはすぐ分かります。
3.「更新」「延長」が、利息だけの支払いかを確かめる
利息だけを払って延ばす仕組みなら、何か月払っても元金は減りません。10か月で借りた額と同じ利息を払う計算を思い出してください。
4.登録番号を聞く
ここで取り上げた業者は、いずれも貸金業の登録を持たないソフト闇金として、当サイトの個別記事で扱ってきた相手です。月1返済をうたう相手が番号を示せなければ、条件を比べる前に話を終えてかまいません。すでに借りて返済に困っている場合の動き方は、次のページにまとめています。 → ソフト闇金より先に確かめること
まとめ:ソフト闇金の「月1返済」は、10万円からの「1か月1割」か、少額からの「1か月4割+手数料」かのどちらかに分かれていました。前者は利息だけ払い続ければ10か月で借りた額と同じ利息になり、後者は1万円を借りて3,000円しか届かない、といった負担になります。「月一」は返済の間隔を表す言葉で、負担の軽さを表す言葉ではありません。月に1回、元金まで少しずつ返していける借り方なら、正規の業者でも選べます。借りる前に、届く額と返す額、そして1年後に何が残るのかを確かめてください。
出典:当サイトの個別記事で確認した各業者の公式サイトの料金表(アスラ・レイワ・ソラナ・めるる・ファブリック・レイス・ガッツ・安心キャッシング・GOTOキャッシング)、ソフト闇金アバロンの当時の紹介サイトの記録。計算はいずれも当サイト。

