080-7896-8172から電話があった。「ファンネクストの池田です」と名乗り、お金を貸せると言う。あるいは、すでに借りていて、この番号から返済の催促が来ている。番号を検索してこのページに来た人のために書いています。
闇金の被害を扱う司法書士事務所(しもひがし法務事務所)の闇金リストで、この番号を引くと、記録が3件出てきます。2022年は「ヤマト」、2023年は「小田」、そして2026年10月30日に載ったのが「ファンネクスト池田」です。番号は同じまま、名乗りだけが4年半で3回替わっていました。
電話を受けた人が知りたいことは、だいたい決まっています。この記事は、その問いを8つに分けて、3件の記録と公的な登録で確かめた答えを順に並べたものです。
まず、3件の記録を一つの表に
| ヤマト(37935) | 小田(47413) | ファンネクスト池田(61136) | |
|---|---|---|---|
| 記録の日付 | 2022年5月28日に投稿、2023年3月22日に更新 | 2023年3月19日 | 2026年10月30日 |
| 電話番号 | 080-7896-8172 | 080-7896-8172 | 080-7896-8172 |
| 連絡の手段 | 電話(いわゆる090金融) | 電話とLINE。LINEの名前は「小田 和哉」(2023年3月17日現在) | 電話 |
| 貸し方 | 2万9,000円ほどに、1週間で1万円余りの利息。返済日は1週間ごと | 1週間ほどの短い周期 | 1万5,000円に、2週間で元本と同じ額の利息。2週間で3万円ほどを完済 |
| 記録の年利 | 年1,800〜2,000% | 年数千%以上 | 年約2,607% |
| 取り立て | 職場や身内に電話されるおそれ | 勤務先や関係者に電話。返せないと銀行のキャッシュカードや携帯電話を送らせようとする | 番号を出さないいたずら電話 |
| 悪質度 | 2(低め) | 2(低め) | 3(普通) |
出典:しもひがし法務事務所 闇金リスト 37935「ヤマト」・47413「小田(オダ)」・61136「ファンネクスト池田(イケダ)」。同事務所のリストの検索窓に「08078968172」と入れると、この3件が出る(2026年11月6日確認)。
問い1:この番号の相手は、誰なのか
答えから言うと、本当の名前は誰にも分かっていません。3件の記録の住所欄はどれも「不詳」か、欄そのものがありません。「ヤマト」「小田」「池田」は、相手がそのとき名乗った名前です。
確かなのは、同じ番号が4年半にわたって、登録のない貸付けに使われ続けてきたことです。2023年3月の記録には、同事務所が「本ページの電話番号は、2023年3月19日現在『小田』と名乗る闇金が使用していることが判明しました」と書き添え、「ヤマト」のページから「小田」のページへ案内しています。事務所自身が、同じ番号の持ち主が名乗りを替えたことを確認して記録を付け替えていたわけです。
日付を見ると、事務所の動きも分かります。「小田」の記録が出たのは2023年3月19日、「ヤマト」のページが更新されたのはその3日後の3月22日です。LINEの名前「小田 和哉」は3月17日の時点のものとされています。名乗りが替わってから数日のうちに、古い記録と新しい記録が結び直されていました。今回の「池田」の記録は、まだ前の2件とつながる書き添えがありません。番号で検索したときに初めて3件が並びます。
番号が同じでも、中の人まで同じとは限りません。番号ごと別の人に渡ることもありえます。ただ、借りる側から見れば、どちらでも違いはありません。この番号の向こうにいるのは、4年半のあいだ記録に残り続けている貸し手です。
問い2:「ファンネクスト」という会社なら、調べられるのでは
金融庁の登録貸金業者の検索で「ファンネクスト」を引くと、0件でした(2026年11月6日)。お金を貸す仕事をしている会社として、国にも都道府県にも登録はありません。
インターネットで「ファンネクスト」を検索すると、名前のよく似た実在の会社が出てきます。美容サロンなどを運営する会社で、お金を貸す事業とは関係がありません。そして、この番号の記録とその会社を結びつける材料は、名前の一部が重なることのほかに何もありません。
実在の会社に似た名前を名乗ると、電話を受けた人が検索したとき、本物の会社のページが出てきます。「ちゃんとした会社なんだ」と思わせる効果があります。名前を検索して会社が出てきても、それは電話の相手が誰かを示しません。確かめるべきは、その会社が貸金業の登録を持っているか、そしてその電話番号が登録された番号か、の二つです。
問い3:「ヤマト」なら登録業者があるのでは
はい、あります。金融庁の検索で「ヤマト」を引くと、登録業者が3件出てきました。
| 登録 | 商号 | 登録された電話番号の頭 |
|---|---|---|
| 大阪府知事(3)第00725号(個人) | ヤマト | 06(大阪の固定電話) |
| 岡山県知事(7)第02116号(個人) | ヤマトファイナンス | 086(岡山の固定電話) |
| 神奈川県知事(6)第05032号(法人) | 株式会社やまと | 045(横浜の固定電話) |
出典:金融庁 登録貸金業者の検索で「ヤマト」(2026年11月6日)。代表者名などは省略。
3件とも、登録された電話番号は地域の固定電話で、080-7896-8172ではありません。名乗りが正規の登録業者と同じでも、番号が違えば別の相手です。2022年に「ヤマト」と名乗った相手は、登録業者の名前に紛れることができる名乗りを選んでいた、と読むこともできます。逆に、本物の登録業者の名前を出されて安心するのは危険です。
電話の相手が登録業者の名前を出したら、その業者の登録された電話番号に、自分からかけ直して確かめる方法があります。かかってきた番号に折り返すのではありません。
問い4:条件は、昔より良くなったのか、悪くなったのか
3件の記録の条件を、1万円を1日借りた場合の負担に直してそろえます。小田の記録には具体的な金額がないので、ヤマトと池田の2件で比べます。比べるために、お金を貸す業者が10万円未満の貸付けで取ってよい利息の上限(年20%)で1万円を1日借りた場合の約5.48円も置きます。
| 名乗り | 条件 | 1万円を1日借りた負担 | 上限の何倍か |
|---|---|---|---|
| ヤマト(2022年) | 2万9,000円に1週間で約1万円 | 約493円 | 約90倍 |
| ファンネクスト池田(2026年) | 1万5,000円に2週間で1万5,000円 | 約714円 | 約130倍 |
計算:1日の負担=利息÷元本×1万円÷日数。ヤマトは利息を1万円として計算(記録は「1万円余り」)。
1日あたりの負担は、2022年より2026年のほうが約1.4倍重くなっています。返済の区切りは1週間から2週間に延びましたが、そのぶん一度に返す額は元本の2倍になりました。1万5,000円を受け取り、2週間後に3万円です。区切りが長くなったことは、楽になったことを意味しません。
悪質度も、2から3に上がっています。同事務所の分類では、2は「話し合いで解決できるタイプが多い」段階で、3は「普通」です。記録の文面からは何が理由で上がったのかは読み取れませんが、同じ番号の相手への評価が、4年半で厳しい方向に動いたことは確かです。
問い5:なぜ名前は替えるのに、番号は替えないのか
記録から理由は分かりません。ただ、番号を替えないことで相手が得るものは考えられます。
一つは、昔の客がそのまま連絡してこられることです。一度借りた人のスマホには、この番号が登録されています。名前が「ヤマト」でも「池田」でも、番号が同じなら、また困ったときにかけてくる人がいます。闇金にとって、一度借りた人は次も借りる見込みの高い客です。
もう一つは、名前で検索されても記録が出にくいことです。「ファンネクスト池田」で検索しても、2022年のヤマトや2023年の小田の記録には行き着きません。名前を替えるだけで、過去の記録との縁が切れて見える。番号で検索して初めて、3件がつながります。
そして番号を替えないことは、相手の弱みでもあります。番号で調べれば、4年半分の記録がまとめて出てくるからです。電話を受けた人ができる、いちばん簡単な確認です。
問い5の補足:記録に残る、話し方と誘い文句
3件の記録は、条件だけでなく、相手の話し方についても書いています。並べると、名乗りが替わっても変わらない振る舞いが見えてきます。
| 名乗り | 記録に書かれた振る舞い |
|---|---|
| ヤマト(2022年) | 「普段は大人しめだが、返済が遅れると職場や身内などにも厳しい取立ての電話」。連絡を無視すると「とても脅迫的な言動」。本人の代わりに周りの人へ「立て替えて支払うよう強要」することも |
| 小田(2023年) | 融資の営業では「他社よりも安く安心」といった「耳ざわりの良い誘い文句」。返せなくなると「すぐに脅迫的な取立て」。借りるときに聞き出した個人情報を、ほかの闇金や詐欺業者へ流したり、ネットの掲示板に書き込んだりする例も |
| ファンネクスト池田(2026年) | 「不都合なことがあると、番号非通知でイタズラ電話」 |
共通しているのは、借りる前は穏やかで、遅れた瞬間に態度が変わることです。最初の電話で感じのよい人だと思っても、それは返済が遅れるまでの顔にすぎません。ヤマトの記録にある「普段は大人しめ」という一言は、今回の電話で「池田」が丁寧に話していたとしても、安心する材料にならないことを示しています。
もう一つ、小田の記録にある「個人情報を他の業者へ流す」という点は、借りた人が完済したあとも続く問題です。一度この番号の相手に渡した勤務先や家族の連絡先は、相手の手元から消えません。別の名前の業者から突然電話が来るようになった場合、出どころはここかもしれません。
2023年3月の小田のあと、次の記録は2026年10月の池田です。そのあいだの3年半、この番号の記録はありません。けれど、記録がないことは、相手が休んでいたことを意味しません。リストに載るのは、同事務所に相談が持ち込まれ、実際に対応した業者だけです。誰も相談しなかった期間は、記録に残らないだけです。
3年半ぶりに記録が出たとき、名乗りは「池田」になり、悪質度は一段上がっていました。番号が生きているかぎり、この相手はまた別の名前で記録に戻ってくるかもしれません。
池田の条件は、1万5,000円を受け取り、2週間後に3万円を返すものでした。返済日に3万円を払い、その場でまた1万5,000円を借りる。これを3か月(6回)続けたとすると、受け取るのは合計9万円、払うのは合計18万円です。差の9万円が3か月で出ていきます。同じ9万円を年20%の上限で3か月借りた場合の利息は、多く見積もっても4,500円ほどです。記録は「ジャンプ」や延長について何も書いていませんが、借り直しを重ねるだけで、この速さになります。
計算:受け取り 1万5,000円×6回、返済 3万円×6回。上限の利息は 9万円×0.2×3÷12=4,500円(9万円を3か月まるごと借りたとした場合の上限)。
問い6:2023年の「小田」の記録が、いま大事な理由
3件の中で、借りる人がいちばん注意して読むべきなのは、2023年の小田の記録です。そこには、返せなくなった人に対して「銀行口座のキャッシュカードや携帯電話を送るよう持ちかけてくるところも多い」と書かれています。そして、それを渡してしまうと「ご自身が逮捕され処罰される恐れがあります」と続きます。
返済に詰まったとき、「お金の代わりに、使っていない口座のカードを送ってくれれば今回は待つ」と言われることがあります。返せない人にとっては、助け舟のように聞こえるかもしれません。けれど、口座や携帯電話を他人に渡すことは、それ自体が法律で禁じられています。渡したものは、詐欺などの振込先や連絡用に使われるおそれがあります。借金に困っていた人が、犯罪の道具を差し出した側として扱われることになります。
2026年の池田の記録には、この手口は書かれていません。けれど、同じ番号の相手が2023年にこの手を使っていたと記録されている以上、今回も同じ話が出てくることを前提にしておくほうが安全です。
携帯電話の契約には、本人確認が必要です。それなのに、080-7896-8172は4年半も貸付けと取り立てに使われてきました。ここで思い出したいのが、小田の記録にあった「携帯電話を送るよう持ちかけてくる」という一文です。闇金が返せない人から携帯電話を集めているなら、その電話は契約した本人とは別の人の手で使われることになります。
この番号がそうして手に入れたものかどうかは、記録からは分かりません。ただ、もし自分が携帯電話を渡せば、自分の名義の番号が、次の誰かへの取り立てに使われるかもしれない。電話を渡すことが何につながるのかは、この番号そのものが示しています。
最近の闇金の記録では、LINEやSignal、Threadsなど、アプリでやり取りする相手が目立ちます。同じ11月に記録された「梅田」も、LINEとSignalを使っていました。その中で、2026年の池田の記録は「主な連絡手段:電話」だけです。2023年の小田はLINEも使っていたのに、2026年は電話に戻っています。
電話だけでやり取りする相手は、やり取りの文字が残りません。何を約束し、いくら払うと言われたのかは、電話を受けた側の記憶にしか残りません。電話の相手とのやり取りは、自分でメモを取らないかぎり、何も証拠にならない。通話のたびに、日時と、言われた金額と、返済日を書き残しておく必要があります。
問い7:電話に出てしまった。何を話してはいけないか
まだ借りていない人は、相手に情報を渡さないことがいちばんの守りです。3件の記録はどれも、職場、家族、関係者への電話を取り立ての手段として挙げています。電話をかけられるのは、借りる人が自分で番号を教えた相手です。
電話で聞かれても答えないもの
・勤務先の名前と電話番号
・家族、友人、知人の名前と電話番号(「緊急連絡先」として求められる)
・銀行口座の番号、キャッシュカード
・身分証の写真
・住所
「審査に必要」「確認のため」と言われても、登録のない貸し手に渡す理由にはなりません。登録のある業者なら、名前と登録番号を言えるはずです。言えなければ、そこで電話を切ってかまいません。
問い8:すでに借りてしまった。今日、何から始めるか
2026年の記録は、この相手が「不都合なことがあると、番号非通知でイタズラ電話をかけてくることがある」と書いています。080-7896-8172を着信拒否にしても、番号を出さない電話は止まりません。だからこそ、記録を残すことから始めます。
番号を出さない電話には、スマホや携帯電話会社の設定で備えられます。番号を出さない着信を受けない設定や、知らない番号からの着信を鳴らさない設定は、多くの機種や携帯電話会社に用意されています。ただし、家族や勤務先にかけられる電話は、自分のスマホの設定では止められません。そこは、先に一言伝えておくことでしか備えられない部分です。
今日やることの順番
1. 080-7896-8172との通話の履歴を、画面ごと保存します。番号を出さない着信も、日時が残っていれば一緒に。
2. 受け取った額と日、返すように言われた額と日を書き出します。2週間ごとに何回払ったかも数えます。上の表で、自分の条件が上限の何倍かを確かめます。
3. 借りるときに伝えた勤務先や緊急連絡先を書き出し、その人たちに前もって一言伝えるかどうかを決めます。
4. 口座のカードや携帯電話を送るよう言われても、送りません。言われた日時と内容を書き残します。
5. 「今回は利息だけでいい」「次はもっと貸せる」という話には、その場で返事をしません。
同じ番号や同じ名前が繰り返し使われる例は、ほかにもあります。名前が同じで番号が別々だった「梅田」の記事と並べると、名乗りと番号のどちらを手がかりにすべきかが見えてきます。返し方や頼る先を決める順番は、借りる前に読むページに置いています。
この記事で確かめたこと
080-7896-8172は、しもひがし法務事務所の闇金リストに3回記録されています。2022年5月は「ヤマト」(2万9,000円に1週間で約1万円)、2023年3月は「小田」(LINE名「小田 和哉」、返せない人に口座のカードや携帯電話を送らせる)、2026年10月30日は「ファンネクスト池田」(1万5,000円に2週間で同額の利息、年約2,607%)。番号は同じで、名乗りだけが替わっていました。
「ファンネクスト」は金融庁の登録に0件で、似た名前の実在の会社は貸金業と関係がありません。「ヤマト」には登録業者が3件ありますが、登録された電話はどれも固定電話です。1日あたりの負担は2022年より約1.4倍重くなり、悪質度は2から3に上がりました。相手を確かめる手がかりは、名前ではなく番号です。
確かめた日:2026年11月6日。確かめたもの:しもひがし法務事務所 闇金リスト 37935・47413・61136 と、同リストの番号検索、金融庁 登録貸金業者の検索(「ファンネクスト」「ヤマト」)。
