中小の消費者金融は全国255社|金融庁の資料集で数える貸金業者数・平均金利15.6%・行政処分と「ソフトヤミ金」【2026年】

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「優良なソフト闇金」「中小の消費者金融なら貸してくれる」と探している人へ。金融庁が毎年まとめている「貸金業関係資料集」を開くと、登録を受けて消費者に無担保で貸している会社のうち、大手を除いた「中小」は、2025年3月末の時点で全国に255社しかありません。1986年に4万7,504あった貸金業者は、2026年8月末には1,416まで減りました。

この記事は、ソフト闇金の良し悪しを口コミで比べるのではなく、正規の業者がどれだけ残り、いくらの金利で、何件に貸しているのかを、金融庁の公表資料の数字だけで並べます。そのうえで、2010年1月に金融庁の会議で示された「ソフトヤミ金」の資料が、何を書いていたかを読み直します。数字はすべて2026年10月13日に金融庁のサイトで確かめたものです。

1986年:貸金業者は4万7,504あった

資料集の「貸金業者数の長期的な推移」は、昭和59年(1984年)から始まります。貸金業規制法が1983年11月に施行され、登録制度が始まった直後です。表は1991年の次が2006年に飛んでいて、その間の年は載っていません。

時点(3月末) 都道府県登録 財務局登録 合計
1984年(昭和59年) 18,882 619 19,501
1986年(昭和61年) 46,357 1,147 47,504
1991年(平成3年) 34,841 1,305 36,146
2006年(平成18年) 13,534 702 14,236
2010年(平成22年) 3,648 409 4,057
2011年(平成23年) 2,240 349 2,589
2016年(平成28年) 1,634 292 1,926
2021年(令和3年) 1,367 271 1,638
2025年(令和7年) 1,219 254 1,473

金融庁「貸金業関係資料集」(令和7年11月28日掲載)1.(参考)貸金業者数の長期的な推移・1.(1)各年度末の推移。

表に載っている年の中でいちばん多い1986年から2025年までで、業者の数は約32分の1になりました。減り方が大きいのは都道府県登録の方で、4万6,357から1,219へ、97%以上が消えています。都道府県登録は、一つの都道府県の中だけに営業所を置く業者です。いわゆる「街金」と呼ばれてきた地元の小さな会社の多くは、この区分にいました。

いちばん急に減ったのは、2006年から2011年の5年間です。1万4,236あった業者が2,589になり、5年で8割以上が姿を消しました。2006年12月に貸金業法の改正が成立し、2010年6月の完全施行までのあいだに、上限金利の引き下げ(年20%)、借入総額を年収の3分の1までとする規制、業者に求める財産の基準の引き上げが段階的に入った時期です。

2026年:毎月、数社ずつ減り続けている

金融庁は年度末の集計のほかに、毎月の業者数も「貸金業者数について」として公表しています。2025年度以降の数字を並べると、減り方は緩やかになったものの、止まってはいません。

時点 貸金業者数
2024年4月末 1,502
2025年3月末 1,473
2025年9月末 1,471
2026年5月末 1,425
2026年6月末 1,423
2026年7月末 1,417
2026年8月末 1,416

金融庁「貸金業関係資料集」1.(2)令和2年4月末以降の推移、「貸金業者数について」(令和8年7月7日・8月7日・9月7日・10月7日公表)。

どこで登録を受けているかを見ると、偏りはさらにはっきりします。2025年9月末の1,471業者のうち、東京都知事の登録が558、関東財務局の登録が121で、関東財務局の管内だけで777と全体の半分を超えます。大阪府は109、福岡県は64、愛知県は44、沖縄県は41です。島根県は1社、福島県・山形県は2社、福井県・鳥取県・山梨県・新潟県は3社でした。都道府県によっては、県知事の登録業者が片手で数えるほどしか残っていません。営業所が二つ以上の都道府県にある業者は財務局長の登録になるので(貸金業法3条)、地元に店がなくても全国の大手は使えますが、「地元の中小」を探しても、選べる数はもともと少ないということです。

金融庁「貸金業関係資料集」1.(3)財務局、都道府県別(令和7年9月末)。

2025年9月末から2026年8月末までの11か月で55社減っています。1,416という数字には、信販会社やクレジットカード会社、リース会社、事業者だけに貸す会社も入っています。個人が「お金を借りる先」として思い浮かべる会社は、このうちのさらに一部です。

業者は減ったが、貸しているお金は戻ってきている

業者の数と一緒に見ておきたいのが、貸付残高の推移です。資料集は、個人向け(消費者向)と事業者向に分けて、毎年3月末の残高を載せています。

時点(3月末) 消費者向の貸付残高 事業者向の貸付残高 合計
2006年 20兆9,005億円 20兆4,853億円 41兆3,858億円
2010年 12兆6,477億円 17兆2,880億円 29兆9,357億円
2014年 6兆2,287億円 16兆7,082億円 22兆9,371億円
2020年 7兆3,207億円 19兆4,844億円 26兆8,053億円
2025年 8兆4,874億円 34兆7,807億円 43兆2,683億円

金融庁「貸金業関係資料集」2.(1)消費者向、事業者向別の貸付残高(各年度末)。

個人向けの残高は、2006年の20兆9,005億円から2014年の6兆2,287億円まで、8年で約7割減りました。そこが底で、2025年には8兆4,874億円まで、底から約36%戻っています。業者の数は2014年以降も減り続けているので、残った会社、とくに大手に貸付が集まっていった、という流れになります。

事業者向けは2020年から大きく伸び、2025年には個人向けの4倍を超えました。資料集の業態別の表を見ると、事業者向の残高のうち約36%が事業者向貸金業者、約29%がクレジットカード会社、約20%がリース会社です。1,416という業者数の中には、こうした個人とは関係の薄い会社も多く入っています。

「中小の消費者金融」は何社あるのか

資料集は、業務報告書を出した1,470業者のうち、貸付残高のない210業者を除いた1,260業者を、業態ごとに分けています。個人に担保なしで貸す会社は「消費者向無担保貸金業者」という区分で、261社です。資料集は、貸付残高が500億円を超える会社を「大手」としています。

区分(2025年3月末) 業者数 消費者向の残高 平均約定金利 消費者向の件数 1件あたり残高
消費者向無担保貸金業者 合計 261 3兆1,212億円 15.0% 680万4,416件 約45.9万円
うち大手(残高500億円超) 6 2兆8,885億円 15.0% 609万9,341件 約47.4万円
うち大手以外 255 2,327億円 15.6% 70万5,075件 約33.0万円

金融庁「貸金業関係資料集」3. 業態別貸付金利、4. 業態別貸付件数、1件当たり平均貸付残高(いずれも令和7年3月末)。件数は各業者の延べ数で、業者ごとに数え方が違うため単純な比較はできないと注記されている。

大手6社だけで、消費者向の残高の約92.5%、件数の約89.6%を占めています。残りの255社が分け合っているのは、残高の7.5%ほどです。中小255社の平均約定金利は15.6%で、大手の15.0%と1ポイントも違いません。「中小は大手より審査が柔らかい分、金利が高い」と思われがちですが、平均で見る限り、金利の差はほとんどありません。

255社の多くは、とても小さい

同じ261社を、貸付残高の大きさで分けた表もあります。

貸付残高の規模 業者数 消費者向無担保の残高
5,000億円超 3 2兆4,361億円(80.2%)
100億円超〜5,000億円以下 10 5,163億円
10億円超〜100億円以下 16 539億円
1億円超〜10億円以下 74 251億円
1億円以下 158 59億円

金融庁「貸金業関係資料集」5.(2)貸付残高規模別(令和7年3月末)を当サイトで5区分にまとめた。

261社の6割にあたる158社は、貸付残高が1億円以下です。158社の件数を足すと3万3,388件で、1社あたりに直すと約211件になります。店舗が一つか二つで、地元の決まった客に貸している会社の姿が浮かびます。登録を受けた「中小の消費者金融」の多くは、この規模です。ソフト闇金の比較サイトが「中小なら柔軟に貸してくれる」と書く時に思い描かせる、全国からネットの申込みを即日でさばく会社の姿とは合いません。

金利の分布:16〜18%が過半数

平均約定金利 業者数 件数の構成比
20%超 9 約0.03%
18%超〜20%以下 39 0.70%
16%超〜18%以下 149 7.30%
14%超〜16%以下 28 82.55%
14%以下 36 9.42%

金融庁「貸金業関係資料集」5.(1)貸付金利別(令和7年3月末)を当サイトでまとめた。28%を超える区分は0社。

業者の数でいちばん多いのは16〜18%の149社(57%)です。件数で見ると、大手が入る14〜16%に8割以上が集まります。20%を超える区分にも9社ありますが、件数の合計は2,302件で全体の0.03%です。資料集はこの区分に入る理由を書いていないので、ここでは数字だけを示します。

平均の15.6%で1万円を7日借りると、利息は約30円です。当サイトで料金表を集めたソフト闇金に多い「7日で20%+手数料3,000円」だと、同じ1万円で5,000円になります。比べる相手が「中小の消費者金融」であっても、金利の差は100倍を超えます。→ 同じ料金表を掲げるソフト闇金16社

2010年1月:金融庁の会議に出された「ソフトヤミ金」の資料

業者の数がいちばん急に減っていた2010年1月14日、金融庁で「貸金業制度に関するプロジェクトチーム」第9回事務局会議が開かれ、有識者からのヒアリングが行われました。そこでノンフィクションライターの窪田順生氏が出した資料「貸金業法改正が違法金融に及ぼす影響」は、今も金融庁のサイトに残っています。2026年10月13日時点で、「ソフト闇金 優良」と検索すると上位に出てくる資料です。

これは金融庁の公式な見解ではなく、外部の有識者が取材をもとにまとめた資料です。それを断ったうえで、書かれていたことを並べます。

「金利がソフトではなく『取立て』がソフト(ex.10日で30%~50%)」

「他に貸してくれる業者がいないので完済後も利用される(リピーター率の高さ)」

「警察に通報したら『もう誰も貸してくれない』という恐怖(信頼関係を構築)」

「顧客の多くが、『怖いヤミ金』ではなく『すぐに融資してくれる篤志家』と思っている。」

「『優しい鎖』で縛られた債務者はSOSを発せない。」

金融庁「貸金業制度に関するプロジェクトチーム」第9回事務局会議(平成22年1月14日)資料1 窪田氏提出資料。

資料の結論は、法改正で正規の業者から借りられない人が増え、即日で貸すヤミ金が「貸し手市場」になったので、強引な取立てをしなくて済むようになった(ソフト化)、というものでした。最後の一行は「『正規業者の多重債務者』を減らしたことで、『ヤミの多重債務者』が増加」です。

16年前の資料ですが、いま「優良ソフト闇金」を探す人が目にする言葉と比べると、ほとんど変わっていません。「取立てが優しい」「親身に相談に乗ってくれる」「完済後も何度でも借りられる」。2010年の資料は、まさにその点を、抜け出せなくなる仕組みとして書いていました。金利の「10日で30%〜50%」も、今のソフト闇金の料金表に並ぶ「7日20%」「10日30%」と同じ水準です。

正規の業者への処分は、1,596件から4件に

資料集には、財務局と都道府県が登録業者に出した行政処分の件数も載っています。

年度 業務改善 業務停止 登録取消し 所在不明者の登録取消し 計
2005年度 − 609 514 473 1,596
2007年度 0 82 281 144 507
2010年度 9 27 56 6 98
2015年度 5 7 2 2 16
2020年度 1 3 0 0 4
2024年度 1 3 0 0 4

金融庁「貸金業関係資料集」7. 貸金業者の行政処分件数の推移。2024年度は四半期の合計(1・1・0・2件)。

2005年度の1,596件から、2024年度は4件です。業者の数が減ったことに加えて、登録を続けている業者が、処分を受けるような営業をほとんどしなくなったことが読み取れます。登録業者の側は、もう数字の上では静かな業界です。

一方で、登録のない業者は行政処分の対象ではなく、刑事事件として警察が扱います。ヤミ金の検挙の数は、警察庁の統計を別の記事で読みました。→ ヤミ金は捕まらない?警察庁の検挙統計を読む

苦情等の4件に1件が「無登録業者」だった年もある

資料集の最後の表は、金融庁・財務局・都道府県に寄せられた貸金業者に関する苦情、相談・照会の件数です。この中に「うち無登録業者に係るもの」という行があります。

年度 苦情等の受付件数 うち無登録業者に係るもの 割合
2019年度 4,768 998 20.9%
2020年度 4,747 1,171 24.7%
2021年度 3,793 670 17.7%
2022年度 3,676 485 13.2%
2023年度 3,968 661 16.7%
2024年度 4,031 475 11.8%

金融庁「貸金業関係資料集」8.(1)内容別。無登録業者に係るものは「登録確認(無登録の疑いあり)」と同じ件数で計上されている。

この「無登録業者に係るもの」は、内訳の「登録確認(無登録の疑いあり)」と同じ数です。つまり、相手が登録業者かどうかを確かめたいという問い合わせが、毎年数百件から千件あまり寄せられているということです。2024年度の苦情の内訳では「取立て行為」が48件、「行政当局詐称、登録業者詐称」が1件でした。

役所に問い合わせなくても、登録の有無は金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で自分で確かめられます。相手のサイトに書かれた登録番号を入れて、商号・住所・電話番号が一致するかを見るだけです。当サイトで実際の業者名を照らし合わせた一覧は、こちらにまとめています。→ ソフト闇金 業者一覧|登録の有無で分けた109社

数字から言えること、言えないこと

資料から言えること 資料からは言えないこと
正規の貸金業者は1986年の4万7,504から2026年8月末の1,416まで減った 減った業者がその後ヤミ金になったかどうか
消費者に無担保で貸す中小は255社、平均約定金利は15.6% どの中小が審査に通りやすいか
そのうち158社は貸付残高1億円以下の小さな会社 ソフト闇金がいくつあるか(登録がないので統計に出ない)
登録業者への行政処分は2024年度に4件 ソフト闇金の「優良」「悪質」の区別
登録を確かめたいという問い合わせが毎年数百件以上ある 問い合わせた人がその後どうしたか

ソフト闇金は登録がないので、金融庁の統計には1社も出てきません。「優良」を決める公的な物差しはどこにもありません。物差しがあるのは、登録を受けている側だけです。比較サイトの「優良ランキング」が並べる業者名を、ここまでの数字と照らし合わせると、そこに出てくるのは255社のどれでもないことが分かります。

借りる先を探す前に、手元でできる順番

1. 相手の登録番号を探す

登録業者はサイトや広告に「〇〇財務局長(数字)第〇〇号」「〇〇県知事(数字)第〇〇号」を必ず書いています。書いていなければ、その時点で255社にも1,416社にも入っていません。

2. 番号を金融庁の検索で照らす

番号があっても、実在の業者の番号を借りているだけのことがあります。商号・本店の住所・電話番号まで一致するかを見ます。

3. 金利を年率に直してから比べる

「7日で20%」は年率に直すと1,000%を超えます。中小の平均15.6%と比べるには、同じ物差しにそろえる必要があります。

4. 正規の中小に断られた理由を考える

255社の平均が15.6%ということは、正規の中小も、上限の20%近くで誰にでも貸しているわけではない、ということです。断られたのが借入の総額なのか、収入の書類なのかで、次にできることが変わります。

まとめ

  • 貸金業者は1986年3月末の4万7,504から、2025年3月末1,473、2026年8月末1,416へ。いちばん急に減ったのは2006〜2011年の5年間(1万4,236→2,589)
  • 消費者に無担保で貸す業者は261社。大手6社が残高の約92.5%を持ち、残る中小255社の平均約定金利は15.6%(大手は15.0%)
  • 中小のうち158社は貸付残高1億円以下。1社あたりの件数は約211件
  • 登録業者への行政処分は2005年度1,596件から2024年度4件へ
  • 2010年1月の金融庁の会議資料は、ソフトヤミ金を「金利ではなく取立てがソフト」「優しい鎖」と書いていた
  • ソフト闇金は登録がないので統計に1社も出てこない。「優良」の物差しは、登録を受けた側にしかない

借りる前に確かめる順番と相談先は → ソフト闇金で借りる前に確かめること

確かめた資料:金融庁「貸金業関係資料集」(令和7年11月28日掲載・各表のExcel)、「貸金業者数について」(令和8年7月7日・8月7日・9月7日・10月7日公表)、「貸金業制度に関するプロジェクトチーム」第9回事務局会議(平成22年1月14日)資料1。いずれも2026年10月13日閲覧。